何しに来たんだっけ
掲載日:2026/08/11
登場人物
渚 : 私
朝食を食べ終え、使った食器を流しへ運ぶ。
皿を洗い、最後のコップを水切りかごへ伏せた。
手についた泡を流し、タオルで拭く。
今日、まだ取り換えてないな。
使っていたタオルを外して洗濯籠へ入れ、そのまま廊下へ出た。
タオルをしまってある部屋へ入り、棚の前に立つ。
「…………」
何しに来たんだっけ。
棚を見る。
引き出しを見る。
何かあった気がする。
しばらく考えてみる。
出てこない。
「…………まあ、いいか」
戻ろう。
そうだ、洗濯。
籠を持ち上げ、洗濯機の前まで運ぶ。
中身を放り込み、洗剤を入れてスイッチを押す。
回り始めた洗濯機を確認して、リビングへ戻った。
昼になり、冷蔵庫を開ける。
何を作ろうか中を眺め、いくつか食材を取り出して調理台へ並べた。
袖を少しまくり、洗面所へ向かう。
手を洗って蛇口を止める。
いつもの場所へ手を伸ばした。
「…………」
手が空を切った。
濡れた手を浮かせたまま、タオルが掛かっているはずの場所を見つめた。
このお話は創作です。
何かをしようと移動したのに、「何しに来たんだっけ?」となることはよくあります。
実際に何をしようとして忘れたのかは、忘れました。




