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私を婚約破棄するなんて許しませんわ。私の後釜になる性悪女は誰ですか?女じゃなくて男?むほほほほほ

作者: 椎名正
掲載日:2026/02/06

 「僕は押しつけられた婚約を破棄して、真実の愛を選ぶ」

 「あなたは何をトチ狂っているのですか。王族の結婚は個人意思で簡単に破棄できるものではないのですよ」

 婚約破棄宣言をする王子を、いさめようとする王妃。

 「母上。すみません。でも、僕は真実の愛を知ってしまったんです」

 「ともかく、婚約破棄などは許しませんよ」

 言い争いをする王子と王妃に加わる、ミア伯爵令嬢。

 「王妃様。王子の真実の愛を認めてあげてください」

 王子の味方をするミア伯爵令嬢。

 そのミア伯爵令嬢に王妃は言った。

 「なんで、婚約破棄されたあなたが、息子側についているのよ」




 「だって、聞きましたか王妃様。王子の好きな人は、男性だそうですよ。男性が男性を愛する。なんと素晴らしい行為なのでしょう」

 「あなた、最近はやっている、恋愛小説に脳みそ占領されているだけでしょうが」

 「そうですよ。それがなにか?」

 「開き直らないでよ!」

 王妃は王子を説得しようとする。

 「冷静になってちょうだい。このミア伯爵令嬢の父親は、この王国の軍事防衛の大部分をになっているのです。それを敵に回すことはどういうことか考えなさい」

 ミア伯爵令嬢は、その説得を邪魔する。

 「大丈夫ですよ。お父様は、私が説得します」

 「説得するな!」

 王妃は、息子に語りかける。

 「いいですか。あなたは王子なのです。子供が生めない相手との結婚なんて認められるわけないでしょう」

 「子作りは側室にがんばってもらえばいいじゃないですか」

 「あなたは黙っていてよ!」

 「そんなことより、王妃様。確認しなくちゃあ、いけないことがありますよね」

 「ええっと、何ですか?」

 ミア伯爵令嬢の真剣な問いに、王妃は気圧される。

 「王子のお相手は、小間使いの青年だそうです。王子とは主従関係になります。それで、絶対に確認しなくてはいけないことは、夜になったらその主従関係は逆転するのですか?」

 「それ、いま必要?」

 「一番、大事なことですよ」

 「ま、まあ、夜のことは置いといて、相手のことを知らなくては話が進みませんね。その相手を急いで連れて来なさい」

 王妃は命令を出すが、王子の相手は現れなかった。

 代わりに、騎士団長がやってきて、王子の相手が国外に逃亡したと報告する。

 「奴は有名なスパイで、我々もマークしていたんですよ。ハニートラップにかかったのが、王子でよかったです。王子の持っている機密情報は、ほぼ嘘情報ですからね」

 「えっ、僕、王子なのに嘘を教えられていたの」

 「それは信用の無さと思ってください。現にこのありさまですよ」

 「あいつは、僕を利用しただけだった」

 がくぜんと肩を落とす王子に、王妃は不器用な慰めな言葉をかける。

 「フ、ファイトよ」

 ミア伯爵令嬢は、王子の肩に手を置く。

 「王子。あなたが騙されたことは間違いないでしょう。でも、あなたが相手を愛したことは本当だった。それは素晴らしいことだと、私は思います」

 「僕は君に酷い仕打ちをしたのに、そんな言葉をかけてくれるのか」

 「あなたはちょっとだけ未熟だっただけです。この失敗を次にいかせばいいのです」

 「ありがとう」

 「それで、その未熟さを補うために、しばらく男性だけの学園に・・・」

 王妃が、ミア伯爵令嬢の首を掴む。

 「あなた、息子に次の相手をみつけさせようとしてないわよね」

 ミア伯爵令嬢はとぼける。

 「何を言っているのかわかりませんね」


    おわり


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