私を婚約破棄するなんて許しませんわ。私の後釜になる性悪女は誰ですか?女じゃなくて男?むほほほほほ
「僕は押しつけられた婚約を破棄して、真実の愛を選ぶ」
「あなたは何をトチ狂っているのですか。王族の結婚は個人意思で簡単に破棄できるものではないのですよ」
婚約破棄宣言をする王子を、いさめようとする王妃。
「母上。すみません。でも、僕は真実の愛を知ってしまったんです」
「ともかく、婚約破棄などは許しませんよ」
言い争いをする王子と王妃に加わる、ミア伯爵令嬢。
「王妃様。王子の真実の愛を認めてあげてください」
王子の味方をするミア伯爵令嬢。
そのミア伯爵令嬢に王妃は言った。
「なんで、婚約破棄されたあなたが、息子側についているのよ」
「だって、聞きましたか王妃様。王子の好きな人は、男性だそうですよ。男性が男性を愛する。なんと素晴らしい行為なのでしょう」
「あなた、最近はやっている、恋愛小説に脳みそ占領されているだけでしょうが」
「そうですよ。それがなにか?」
「開き直らないでよ!」
王妃は王子を説得しようとする。
「冷静になってちょうだい。このミア伯爵令嬢の父親は、この王国の軍事防衛の大部分をになっているのです。それを敵に回すことはどういうことか考えなさい」
ミア伯爵令嬢は、その説得を邪魔する。
「大丈夫ですよ。お父様は、私が説得します」
「説得するな!」
王妃は、息子に語りかける。
「いいですか。あなたは王子なのです。子供が生めない相手との結婚なんて認められるわけないでしょう」
「子作りは側室にがんばってもらえばいいじゃないですか」
「あなたは黙っていてよ!」
「そんなことより、王妃様。確認しなくちゃあ、いけないことがありますよね」
「ええっと、何ですか?」
ミア伯爵令嬢の真剣な問いに、王妃は気圧される。
「王子のお相手は、小間使いの青年だそうです。王子とは主従関係になります。それで、絶対に確認しなくてはいけないことは、夜になったらその主従関係は逆転するのですか?」
「それ、いま必要?」
「一番、大事なことですよ」
「ま、まあ、夜のことは置いといて、相手のことを知らなくては話が進みませんね。その相手を急いで連れて来なさい」
王妃は命令を出すが、王子の相手は現れなかった。
代わりに、騎士団長がやってきて、王子の相手が国外に逃亡したと報告する。
「奴は有名なスパイで、我々もマークしていたんですよ。ハニートラップにかかったのが、王子でよかったです。王子の持っている機密情報は、ほぼ嘘情報ですからね」
「えっ、僕、王子なのに嘘を教えられていたの」
「それは信用の無さと思ってください。現にこのありさまですよ」
「あいつは、僕を利用しただけだった」
がくぜんと肩を落とす王子に、王妃は不器用な慰めな言葉をかける。
「フ、ファイトよ」
ミア伯爵令嬢は、王子の肩に手を置く。
「王子。あなたが騙されたことは間違いないでしょう。でも、あなたが相手を愛したことは本当だった。それは素晴らしいことだと、私は思います」
「僕は君に酷い仕打ちをしたのに、そんな言葉をかけてくれるのか」
「あなたはちょっとだけ未熟だっただけです。この失敗を次にいかせばいいのです」
「ありがとう」
「それで、その未熟さを補うために、しばらく男性だけの学園に・・・」
王妃が、ミア伯爵令嬢の首を掴む。
「あなた、息子に次の相手をみつけさせようとしてないわよね」
ミア伯爵令嬢はとぼける。
「何を言っているのかわかりませんね」
おわり




