09.休日、それぞれの過ごし方
医療ギルドの建物は階段の先で広い面を据えている。
外壁には金属の線が整った間隔で続き、入口の両側には案内板が落ち着いた配置で掛けられていた。
三人の立つ位置からは、建物の高さと幅がゆっくり揃った形を見せる。
「真人さん。ここが医療ギルドです」
「国会議事堂みたいだね」
上部の窓は均等に並び、屋根の縁と一つの線を作っていた。
「本当に…」
直樹の視界には、外壁の広がりがまっすぐ伸びる形で収まっている。
「ここはいろいろがギルド本部があつまっているみたいですよ」
「各省庁がここにあつまっているんですね」
「まぁ、そうなるんかな?」
階段の下では、人影が一定の幅を保ちながら別の建物へ向かっていた。
石畳には踏まれた痕が細く並んでいる。
「この世界の医療基準についていろいろ教えてもらわないとね」
「せやね」
「メモは任せてください」
直樹の手元では紙束の角が整った形で光を返していた。
冒険者ギルドの内部は、掲示板が壁一面を覆っている。
依頼書が段ごとにまとめられ、金具の列が均等に続いていた。
受付窓口の前には短い列が伸び、大和と陽菜はその手前に立つ。
「冒険者の登録をさせてくださ~い」
「はいよ」
窓口の机には紙束が平らに置かれ、箱の中には未記入の紙が整った形で差し込まれている。
「意外にあっさり」
陽菜の視線は整えられた書類の端へ向けられていた。
「お前らデンタルクリニックの……」
受付の目は二人の服の位置に留まっている。
「あ、内覧会に来てくれた……」
大和の前には机の縁が一定の距離で広がっていた。
「冒険者にもなるのか?」
「この町の常識を学ぶためにもね」
陽菜の横では、別の影が掲示板の前で紙面を追っていた。
「ダンジョン攻略以外にも何でもするんでしょ?」
掲示板の下段には色ごとの札が規則的に並び、Fの文字がいくつも続いている。
「ま、冒険者ギルドなんて表向きで何でも屋だな。依頼があれば何でもするギルドだよ。そこのボードにランクに応じた依頼があるから、できそうなのあったらやってみな」
指し示された場所には、同じ大きさの札が列を作っていた。
「は~い」
「……Fランク……はぁ……いいわぁ…」
札の縁には擦れた跡が小さく残っている。
「ま、まずは街のゴミ拾いからだね」
「街の人たちと交流しながら情報収集は鉄則だね」
掲示板の中段には地図の断片のような紙が静かに留められていた。
「あとは……この街の食べ物とかな」
出入口の扉には木目が縦に伸び、その隙間から外光が細く差している。
「歯磨きの葉っぱとか気になる文化とかあるしね」
琴吹家の靴箱には数足だけが残り、空いた棚が広い面を見せている。
リビングの机には資料が重ねられ、紙の端が薄く浮いていた。
七脚の椅子が机に向かって揃えられている。
「みんなでかけちゃいましたね」
窓際の床には木目に沿った光が淡く伸びていた。
「暇だね」
つむぎの足元には畳んだ毛布がきれいな形で置かれている。
「……ステータスのこと色々調べとく?」
資料の紙束には触れられた跡として柔らかな湾曲が残っていた。
「あの時はあっけにとられすぎて調べれなかったもんね」
「んじゃ、クリニックの方行こうか」
椅子と机のあいだには細い影が並び、床の線がその影に沿って続いている。
「明日からまたいろいろと話し合いしないといけないとですからね」
資料の表紙は厚みを保ち、角に小さな丸みがあった。
「……この世界もそうですけど、このクリニックの事も知っておかないとですね」
玄関のほうには揃えて置かれた靴が一直線に向きをそろえていた。
七人の向かう廊下は玄関へまっすぐ伸び、板張りの線が静かに続いている。
机の上の資料の白は入口側の光を薄く返していた。
次章
第4章 『ほほえみデンタル、』は、
3月5日 17時より投稿を開始します。
どうぞ、お楽しみに。




