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交換日記は異世界から ―教室に届いた異世界からのSOS―  作者: クサフグ侍


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第30話

 夕方前、喫茶店のドアがガチャッて開いて、岳人さんが入ってきた。

 その体格で、店の中が狭く感じる!


「よ、みんな。遅くなったな」


 わたし、すぐ立ち上がって迎える。


「岳人さん! 待ってました!」


 彩花も丁寧に挨拶する。


「お疲れ様です。仕事終わりにありがとうございます」


 千智さんが笑顔で言う。


「お父さん、早かったね! 健一おじさんの日記、めっちゃヤバいよね!」


 岳人さん、席にドカッと座って、コーヒー頼むと大きく息を吐いた。


「ああ、見たぞ。気を失ったって、心臓止まるかと思ったが、無事でよかった。白竜のアルビオルが危ない竜じゃ無くて良かった。黒い森、魔法…健一、どんどんファンタジー世界にハマってるじゃねえか」


 わたし、興奮気味に言う。


「ね! 健一さん、火と水出せるって、めっちゃカッコいい! でも、気を失ったって、めっちゃ心配…。異常事態って、白竜も言ってるし」


 彩花が頷く。


「うん、大草原が1日で黒い森って、とんでもない世界だよね。意識失う異変って危険」


 千智さんが目をキラキラさせる。


「でも、喋る龍って、伝説みたい。健一おじさん、魔法使い使いになったみたいだし!?」


 みんなで笑っちゃったけど、岳人さんが真剣な顔で言う。


「健一、無事でよかったが、黒い森、なんか不気味だ。異常事態って、健一の周りで何が起きてんだ?」


 感想、めっちゃ盛り上がったけど、心配も大きい。健一さん、無事でいて!


 岳人さんがコーヒー飲みながら、話題を変える。


「で、俺の昨日の話だが…二人目のアプリの子の件だ。みんな、気になってるだろ」


 わたし、めっちゃ前かがみになる。


「うん! 岳人さん、詳しく教えて! わたしと同じアプリの子、どんな人!?」


 彩花と千智さんも興味深々。


「ほんと、めっちゃ気になる。似た状況の人、いるんだ…」


「私も! お父さん、早く話して!」


 岳人さんがゆっくり説明始めた。


「その子は最初、ネット小説とかフィクションだと思ってたらしい。6月2日、急にスマホに白いノートにペンのマークの日記アプリが出てきて、開いたら知らねえ人の日記。葵の時と同じだな。内容は、起きたら知らない森の中の小屋で寝てた子供の話だそうだ。日記の最初の日付は7月10日。毎日更新されてたが、6月16日を最後に止まった。最後、7月25日の日記が来なかったんだな。健一の来なかった日と同じだ」


 わたし、息を飲む。


「え、7月25日! 健一さんの日記と同じ。それと、その人の日記アプリ、時差が凄い?」


 岳人さんが続ける。


「そうだな、相手の7月10日の日記が6月2日に来ている。そして、日記が止まって2日後、18日にアプリが消えてたそうだ。訝しんだが、どうしようも無く、だんだんと意識しなくなったらしい」


 千智も頷きながら言う。


「そうね、ちょっと変なアプリを経験しただけってなるのかしら」


「そして、7月10日になった。日記の最初の日と同じ日だ。その子の近所の子供が行方不明になる事件が起きた。そこで、初めて現実との関係を疑ったらしい。消えたアプリの相手は、その子供だったのか? って」


 私達は思わず息を呑む。行方不明になった子供の日記を自分が読んでいたと想像したら、とても怖い。岳人さんが続ける。


「思い出せる限り日記の内容書き出して、ヒント探してたが、何も進展ねえ。日記の途絶えた日が近づいて、焦ってネットで質問集めてる場所で聞いたそうだ。けど、相手にされねえか、詐欺っぽい反応しかなくて落胆してたらしい」


 彩花が目を丸くして聞く。


「ネットで質問…それを岳人さんが見つけ連絡を?」


 岳人さんがうなずく。


「ああ。日記アプリの詳細書いてないから、突然現れた日記アプリで、白いノートにペンのマークか?って聞いた。それで信用してくれてな。今日、健一の日記は復活したが、この子供の日記は復活せずにアプリは消えた」


 千智さんが興奮気味に言う。


「健一さんと同じ世界に居て、同じ異変に巻き込まれたって事?」


「その可能性が高いと思う。だが、子供の方の日記は消えている。無事も確認できない」


 その言葉に、そんなって思ってしまう。


「子供は、日記の内容から大草原に囲まれた小さな森の小屋に住む夫婦に助けられて、一緒に生活してたらしい。大草原は広大だし、健一の居る高原との距離もわからん。それに大草原は今回の異変の中心っぽいな。黒い森になってしまっている」


 絶望的な状況にしか思えない話しに、私は言葉を失う。彩花が岳人さんに聞く。


「その二人目の人、どんな人なんですか?合流して、一緒に考えます?」


 岳人さんが眉を寄せて言う。


「君達と同じ高校生で、苗字は三浦。それと、子供の名前は高橋潤くん。三浦さんとの合流か。それも考えたんだがな。その子は既に日記アプリもない。思い出して書いてもらったノートが全てだ。それに、かなり精神的に参っている感じでな。ノートを預かって、何か判れば連絡する。後は任せろって言っておいた」


「そうか、かなりハードな状況だもんね」


 そう千智さんが同情的に言う。その子も岳人さんに後は任せろって言われたら、少しは安心するよね。


「だからな、健一は当然だが子供も救えるなら救いたい。皆も一緒に考えてくれ」


 岳人さんが頭下げるけど、そんなの当たり前だよ!みんなで考えよう!

 彩花と千智さんも頷く。


「健一さんに子供の居場所の特徴を伝えて、守護者の老人や白竜に聞いてもらう。出来れば保護するなり、合流を頼むなんてどう?」


「そうだな、伝えてみるか。子供が居た森は大草原に囲まれた小さな森で、木が一本飛び抜けて高かったと書いてあったそうだ。特徴はそれくらいだな。葵、今日の日記で頼む」


 千智さんがアイデアを出してくれて、皆で検討する。みんなで話し合って、子供の居場所を健一さんに伝えることに決めた。岳人さんの言葉に、任せて!と頷く。


 今日も遅くなり、岳人さんが千智さんに言う。


「よし、今日はここまで。千智、葵と彩花、家まで送ってやれ」


「任せて!」


 そう言って、千智さんに車で送ってもらって、家に帰ってくる。千智さんが両親に毎日遅くまで連れ回してごめんなさい、相談のってもらってますって挨拶してた。

 私は早速ベッドでスマホ握って、日記アプリ開く。


『今日、健一さんから日記が来て、本当に安心した。怪我はありませんか?身の安全が最優先ですよ!異変やアルビオル、真法と気になる事沢山ですが、こちらも進展ありました。健一さんと同じ世界に飛ばされた子供が居るの!名前は高橋潤くん。でも連絡取れなくなってる。居場所は平原の小さな森、一本の大きな木が特徴。守護者さんや、アルビオルさんに聞ける?』


 右上の表示は198/200。制限ギリギリ!

 保存押して、アプリを終了する。充電器に繋いで、ベッドに飛び込む。

 夏休み三日目、ドキドキハラハラ止まんないけど、チームで力合わせて頑張る!

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

★やブックマーク、感想などで応援いただけると、とても嬉しいです。次の更新もがんばれます!

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