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プロローグ

作者的にかなりダークな内容になりました。血塗れ・虐待・非人道的なシーンが盛り沢山です。

苦手な方はブラウザバックをお願いします。そうでない方もご自衛くださいませ。

いつもながら、ジャンルがどこに落ち着くのかわかりません。ひとまずファンタジーに入っていますが、移動するかもしれません。


よろしくお願いします。

 ドラゴンの血肉を食べると不老不死になると信じられ、それを実行した初代国王ジェイムス・ロッテンガルン。


 千年前に建国されたこの国の王族は、確かに強靭な肉体と膨大な魔力を手に入れたが、その魔力を使いこなせず、不老不死になるどころか短命になってしまった。噂では魔獣の血を飲まないと気が狂ってしまうだとか、瘴気を吸わないと体が溶けてしまうだとか、ドラゴンの血の呪いから、負の渓谷と呼ばれる魔の森の深淵から出ることは叶わないとか。


 とはいえ、この国にはどういうわけかドラゴンの守りの結界があるため、魔獣や瘴気に国土が荒らされることもなく、魔の森に囲まれているため他国の侵略もない。王族はともかく、国民は結界に守られた国に満足をし、犠牲を伴っても国の平和を守ったロッテンガルン王家に感謝し、平和を享受していた。


 そして、そのドラゴンの結界を守るのが我が国にある永遠の番人、リベリエ魔女侯爵家である。


 時代は移り変わり、今の王家は魔力もほんのわずかしか受け継いでいない。だが、リベリエ侯爵家は代々魔女が生まれ、結界という国防を一身に担う。この国でただ一人魔法を使うことができるのが魔女であり、幼少の頃から魔女育成は始まる。生まれたばかりの子供は器を持つというが、成長と共に魔力を少しずつ受け渡され、その器も成長させなければならないからだ。そして代が変わる時、魔女の持つ魔力は全て次世代の魔女へと移行されるという。


 この度、魔女オリヴィアの元に生まれてきたのは、男女の双子だった。未だかつて魔女が双子を産んだという話は聞いたことがなく、また歴史上、双子は忌み嫌われていたのだが、生まれた子供たちが男女だったということ、魔女は女児しかなれないことなどということから、男の方はリベリエ侯爵家で使用人のように育てることになった。侯爵家の後は継げないし、下手に権力を持たせて後々問題になることを避けるためでもあった。


 双子は姉をサリア、弟をリアムという。


 サリアは漆黒の髪と夜空の闇のような瞳を持ち、幼少の頃から風魔法や水魔法を巧みに使い、火魔法を使って湯を沸かすなど凄まじい能力を開花させた。弟のリアムを大層可愛がり、どこに行くのも共に行動し、責任感があり勤勉な後継に相応しい少女である、と侯爵家でも可愛がられていた。


 かたや、弟であるリアムの方はというと、父ウィリアムに似た榛色(ヘーゼル)の瞳を持ち、銀色の髪を持つ麗しい容姿をした少年ではあったが、能力は平均的な子供だった。双子なだけあって、顔はそっくりだが、持つ印象が全く違う。「姉様!姉様!」と後をついて歩き、何をしてもすごいすごい、と手を叩く素直な子供ではあったが、どこかのんびりとしており、じっと座ってただ姉が迎えに来るのを待っているような大人しい子供で、少々頭が足りないのでは、と心配された。


 5歳になり、姉であるサリアの魔女教育が始まるまで、二人はとても仲の良い姉弟として育てられた。





 そして、それはロッテンガルン王国崩壊の始まりだった。




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