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短編集

注釈(※)の多い料理店

作者: ぬさ

注文の多い料理店のパロディです。

題名から思いついた、出落ちみたいなものです。

 二人の若い青年(※1)が、イギリスの兵隊のような格好(※2)をして、とある山奥(※3)を歩いていた。

 

 ※1:十代半ば~二十代くらいの男子、または女子。この物語では男子。

 ※2:赤い制服を着て、頭部の倍ほどある謎の黒い帽子を被った姿。

 ※3:山の奥深いところ。昔話の場合、たいてい物の怪の類が出る。


 二人は黒光り(※4)する鉄砲(※5)を担いで、白い大きな犬(※6)を二匹つれていた。落ち葉を踏みしめ、話をしながら歩いている。


 ※4:黒くて艶があること。グーグルで画像検索すると、ヤツが出てくる。

 ※5:火薬の爆発力によって、主に金属製の弾丸を飛ばす道具。

 ※6:北海道犬のこと。たぶん。


「いやあ、この山はあんまり良くないっすね。鳥(※7)も獣(※8)もまったく出やしねえ。なんでもいい(※9)から、早いとこ撃ちたいんすけどね」


 ※7:翼を持ち、体が羽毛で覆われた脊椎動物。

 ※8:全身が毛で覆われ、四つ足で歩く動物。

 ※9:よくない。狩猟可能な鳥獣は、鳥二十六種類、獣二十種類。


「鹿のどてっ腹(※10)に二、三発お見舞い(※11)したら、そりゃあ痛快だろうな。のたうち回って、それからどんっと倒れるだろうな(※12)」


 ※10:腹部を指す、やや卑俗的な表現。胃や腸が破れると肉に臭みが移るため、頭や心臓周辺を狙う方が良い。

 ※11:相手に不利益を与えることを、婉曲的に表現する言い方。

 ※12:こういった輩は狩猟をすべきではない。動物に敬意を持て、敬意を。


 二人は、さらに山奥へ歩いて行く。案内してきた専門(※13)の猟師(※14)も、腰が引けて(※15)どこかへ行ってしまったくらいの山奥だった。


 ※13:特定の分野の学問や職業に従事すること。

 ※14:猟で生活を立てている人。現代では兼業がほとんど。

 ※15:恐れなどから、物事に消極的になる様子。


「……いっこうに話が進まないっすね」

「そうだな。おまけに、全く頭に入ってこない」

「猟師さんもどっか行っちゃったし、もう帰りますか」

「ああ、そうしよう。明日も早いからな。宿屋で山鳥でも買って帰ろう」


 ───


「今日は誰もこないにゃあ」

「まあ、気長に待つにゃあ」

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