8話 襲撃者の正体
―――迷いの森 ナギサイド―――
2人は大量のオドリギの根で作られたドームに閉じ込められ、外から謎の襲撃者に襲われピンチに陥っていた。
「そこに閉じ込められている2人を解放してもらおう」
「あぁん、お前は誰だ?」
リク 「誰か来てくれた?男性の声だけどハルの声じゃないな」
ナギ 「副忍長だ。副忍長!ナギです!相手は貫通力の高いビームのような魔法を使います気をつけてください」
副忍長 「ナギ久しぶりだな。今助けるからな。ありがとう気をつけるよ。で、お前は何者だ?」
「俺は大長6ゼルガだ」
副忍長 「(やはりカーア様の予言の通り、大長が襲撃者か、しかし6か)」
大長6ゼルガ 「お前は容赦なく殺すぞ」
今までリクが聞いた事のある殺意の言葉の中で一番重厚感があり心が凍るほど冷たかった。ゼルガが指から出したビームを副忍長はナギをも越える速さでかわす。ビームが副忍長の後ろのオドリギを何体も貫通し雄叫びをあげる。
副忍長 「能力は『ビーム』か『貫通』っていった所か?穴は焦げる訳でもなくただ綺麗にくり抜いたように見える」
ゼルガ 「そうだ。俺の能力は『貫通』だ。この霧の中よく分かったな。天国に行ったら誰かに褒めて貰え」
ナギ 「5国の中でも一番速い風国の中でもトップの忍村の中でもトップ3に入る速さだから攻撃は当たらなく一方的になるはずだ」
リク 「つまり。めちゃめちゃ速いんだな」
副忍長 「(ここにナギ達が来て、俺が助けに入って大長6に遭遇するのは、予言をナギ達と俺が聞いた事で生まれた流れだ。という事はここで大長6を倒せば未来が変わるって言う事だ)」
ゼルガ 「(こいつを無視してドームの方を撃ちたいがこいつの速い攻撃に対処するのに手一杯だな。足から潰すか)」
ゼルガ 「雷斜戦」
ゼルガは足から雷魔法を出しながら、斜め上から蹴り落とす。しかし、素早い副忍長は素早く反応し1歩下がってかわす。
ゼルガ 「よし、詰んだな」
ゼルガは霧と雷で姿をくらまし副忍長にビームを放ったが、それも副忍長は顔を傾けかわす。
リク 「(すげえ)」
ちょうど穴から戦況が見えていた。そして、その悲惨な光景もリクの目に映ってしまった。
副忍長 「!?どこから」
副忍長は、後ろを振り返りながら倒れる。かわした筈であるビームが後ろから副忍長の右足を貫く。ドームと同じように丸く綺麗に足のビームに当たった部分が消えている。血が止まらない。
副忍長 「ぐぁああ」
リク 「ナギ!」
ナギ 「わかってる!」
「兄さん、やっと見つけたよ。こんな所で時間を食ってる暇は無いよ。早く準備してよ」
副忍長の後ろから白髪の青年の様な姿の魔物が霧の中から現れる。
オババの予言は、2体の魔物と遅れてくる1体の魔物によって忍村が崩壊させられるというものだったが、ここにその2体が揃ったのだった。
ゼルガ 「ツトガまだ、時間あるだろ」
ツトガ 「いっつも遅刻して怒られるじゃないか、僕らは連帯責任って言われがちなんだから、少しはこっちの身にもなってよ」
ゼルガ 「っわかったよ。いくぞ」
助かった、、訳ではない。
副忍長 「待て!(忍村には行かせない。)お前は何者だ?」
ツトガ 「同じく大長6のツトガさ、まだ叫ぶ力残ってるとはやはり忍はしぶといね。でも、お得意の俊足はもう使えない。黙って死になよ」
ゼルガ 「守ってやらねぇとガキども死ぬぞ」
ゼルガは、去る前にドームの上方に爆弾を投げていた。爆弾はリクとナギ目掛けて落下してくる。
リク 「ナギ!物は見えないけど、火薬の匂いだ。前使ってた凪って技で守れないか?他の風技でもいい」
ナギ 「すまんが、この穴から風を出した所で爆弾は守れないし、ドームの外側にはウチの魔法の練度では風を起こせない」
残り数秒で、リクとナギは爆発に巻き込まれる。
副忍長 「俺は2人を助けに来たんだ。雷妖精!」
副忍長が出した雷は、まるで生き物の様に爆弾を掴み飛んでいく。そして、オドリギ達と共に爆発する。
リク 「助かった…」
副忍長 「しゃがんでいろ!」
副忍長は雷の長刀を出して、倒れている身でありながらドームの天井を斬り落とす。
副忍長 「(ここまでか、後は医療忍頼む)」
副忍長は出血により、気を失う。
ナギとリクはドームをすぐに抜け出し、副忍長に近寄る。2人は持っているポーションを副忍長に飲ませ、ぽっかりと丸く空いた足の止血を試みるが止まらない。
ナギ 「村長~!!豪風乱」
ナギは思い切りリクとナギの周りに風を起こし、霧を晴らして、両手を振る。
リク 「(こんなMPを無駄にするような事。何か考えがあるのか?)くそっ、血が止まらねぇ」
リクの肩を白い服を着た忍が叩く。ナギはそれを見ると、風を止める。
ナギ 「(来てくれた。)医療忍さん、副忍長をお願いします」
医療忍 「ええ。必ず救ってみせます。回復しながら忍村を目指します。走ってついてきてください」
医療は、副忍長の足に包帯を巻き直すと優しく背中におぶり、走り出す。ナギとリクも走ってついていく。
リク 「(速っ、でも足でまといになるかよ)」
―――ハルサイド 少し前―――
ハル 「こんなに一気に!」
ハルは手当たり次第に根を斬っていく。しかし次々と生えてくるので間に合わない。ハルのピンチの際にはルカが防御をするといった立ち回りで耐えていた。既にキングルートには居場所がばれて、絶え間なく攻撃されている。
マナももちろん何もしていない訳ではない。ルカのMP回復とハルの体力回復をする事でこの陣を保っていた。
ルカ 「持久戦だったらこっちの方が分が悪いよ」
ハル 「わかってる。なんとかする策を…」
マナ 「リクとナギは大丈夫かな?」
ルカ 「あの二人なら大丈夫だよ。私達もここを切り抜けよう」
「あんたらが、水柱を倒したって子達かい?」
ハル 「(どこから現れた?)」
マナ 「この人に敵意はないよ」
「私は女忍長だ。あんたらを忍村に迎えに来た」
キングルート 「わしを無視してお喋りか。腹立たしいのう」
キングルートは4人に根を4本集中させて、渾身の一撃を叩き込む。
キングルート 「ん?」
根は4人の手前で止まっている。まるでそこに壁が存在しているように攻撃は届かない。
女忍長 「こいつは今はいい、忍村に向かおう。あんたらの仲間は私の一番の部下が守って村まで連れていくだろう」
ルカ 「ハルどうする?」
ハル 「僕らの仲間には忍村出身の子が1人います。その子の事を知っていますか?」
女忍長 「ナギだな、あいつは双剣使いで風魔法の使い手だ。そこまで接点はなかったが、口数はあまり多くないのに村の子供達に懐かれているイメージがあるな。火のオババと村長の助言で迎えに来た」
ハル 「(マナの感知でも大丈夫だし、発言に矛盾もない。)すみません、案内お願いします」
キングルート 「くそぉ!」
キングルートはずっと叩きつけていたが、一撃も当てれずに4人に逃げられてしまっていた。
ゼルガ 「おい、中長落ち忍村でやり返せばいいだろ、早く準備しろ」
キングルート 「わしにその呼び方を使うな」
ツトガ 「ちょっと仲良くしてよ。大長落ちの子は?」
ゼルガ 「ドクターがワープさせるってよ」
ツトガ 「大長でも無いくせに、気にいられているね」
ゼルガ 「まぁ、所詮あいつらは『能力』だけだ」
ツトガ 「そうだね」




