15話 伊達巻は譲れない
マナ 「(今なら周りに魔物がいない)皆ここを右!」
中央都市ボイラーの道を適当に歩いていたところ、急に右折をして、裏路地に入る。周りの魔物が居なくなるまでマナ達は遠回りをして王の元へ向かっていた。
古びた木の扉を6回ノックする。
「誰だ?」
マナ 「伊達巻は譲れない」
「よく来たね。入ってくれ」
ゆっくりと木の扉が開く。謎の合言葉に3人は困惑している。伊達巻は、水国で捕れる白身魚からはんぺんをつくり、はんぺんと卵を混ぜ合わせ国王の好みで砂糖をいれ甘くして焼き、簾で丸めたものである。あまりメジャーな食べ物ではないので、兵と王の間で合言葉となった。
国王は、兵ではなくマナが来たことに驚いていた。王の立場からだと、自分の娘の友達が他国から助っ人を呼んできてくれたように見えていた。マナから3人の紹介をされ、来てくれた事に対してまずお礼を述べられた。その後王が膝をつき頭を下げた。
リク 「王!おやめ下さい」
王 「本当は、我々が解決しなければいけないことだった。だが力が足りず君たちに頼ることになってしまったのだ。それに、今は王ではなく1人の父親としてお願いさせて欲しい。私の娘を助けてくれ。大事な一人娘なんだ。妻は12年前に戦死した。私にはもうあの子しかいない。私ももちろん城についていく。どうか頼む」
ハル 「王、顔を上げてください。僕たちはルカ姫と、城を助けにここに来ました。必ず水柱を討ち、助け出しますので」
王 「本当にありがとう。私は盾を生み出すことができる、突入の作戦に使ってくれ」
ハル 「差し支え無ければ、見せて頂いても宜しいですか?僕が彼に蹴りを放ちますので」
リクは受ける準備をする。
王 「わかった。やってくれ」
リクは受けない方がこの場面では良いことに気づき手を下ろす。
リク 「ハルの蹴りを見るのは初めてだ」
ハル 「いきます」
ハルの蹴りはリクの腕を狙う。当たる直前にリクの腕の前に小さな水の盾が現れ、ハルの蹴りを止める。
ハル 「ありがとうございます」
王 「久しぶりに見きわめをされたみたいで緊張したよ」
王は自身の油断が原因でこのような状況になってしまったことを正直に話す。そして、城で起こった事を詳しく4人に伝える。
王 「私の城にいる戦力としては、特兵長と右大臣、左大臣と聖女と娘のルカだ。おそらく全員捕まっていると考えられる」
ハル 「その方達を解放する事を優先にした方がいいですかね?」
王 「城の全容を知っているのは私だけだ、私が解放に回ろうと思う」
ハル 「では、僕たちは中長と水柱を倒す事に専念します。できるだけ多い人数で水柱と戦いたいので、4人でまとまって行動して、中長2体を撃破して水柱戦に挑みたいと思っています」
マナ 「私が、魔物の居場所を感知します。城までの道のりも気をつけましょう」
王 「城までは一番広い通りを進まなければならない。今は昼過ぎ、昼食をとるため人通りが減っている。この隠れ家を出て左に曲がり突き当たりを右に曲がれば一番人通りが少ない道を通れる」
ここに来て王の自分の村や都市が大好き故に国民の動きを把握している情報が役に立つ。ハル達は、マナの感知を頼り、もし魔物に見つかって襲われても迎撃が出来るように、人通りが少ない道を進むことを決めたのであった。
ナギ 「出発は?」
ハル 「あと10分だ準備を整えてくれ」
王 「(この年齢で、頼りがいがありすぎる。すごい子だな)」
リク 「遂に柱との激突か」
マナ 「遂にって言うほど中長戦からたってないじゃ?」
リク 「俺の戦いは、10年前に始まってたんだ。遂に父さんを殺した闇柱と同列の敵と戦える。皆に出会って急速に俺の物語は動いたんだ」
ハル 「僕もそうだよ。ユナが砂に変えられてどうしようもなかった時に皆に出会えて進み始めれた」
この2人を中心に始まったパーティーも気づけば倍の人数になっていた。ここまでとても速いテンポだった。この流れに乗って柱に挑む事は正しいのか過ちかは、まだ火のオババしか知らない。




