13話 4人目②
宿主 「この国を頼む」
宿主とその娘が4人に深々と頭を下げる。
ハル 「必ず救ってきます」
宿主の娘「大したものではございませんが、こちらお持ちください。このドリンクのはポーションを元に作ったものですので、美味しく手早くスタミナとMPを回復させます」
宿主 「昨日寄ったっていってたドリンク屋のオーナーと俺の自信作だ。持っていってくれ」
宿主の娘 「マナさんありがとうございました」
マナ 「元気になられて良かったです!こちらこそ泊めて頂いた上に、ドリンクまでありがとうございます!」
マナに続いてハルたちもお礼を述べ4人はそれぞれのカバンに入れる。見えなくなるまで手を振り続けてくれたその親子に心から感謝をして4人はジャー村を旅立とうと歩いていく。
リクはいつハルがマナを誘うかうずうずしていた。そして、ハルはあからさまにキョロキョロしだし青空を少し見つめた後に口を開く。
ハル 「ねぇマナ、僕らの仲間になってくれないか?」
マナ 「私を皆の仲間にいれてほしいの!」
ハル 「え?」
マナ 「あ」
2人の声が綺麗に重なる。ナギは満足気な顔で見守っており、リクは一言でいうとウヒョーと言わんばかりの表情だ。
ナギ 「決定だな」
マナは、リクとハルの目的が光国を助けることにつながるので、自分が彼らを支えたいと思っていた。さらに昨日のナギの言葉に深く感謝しており、3人の人柄も好いていた。助けてくれた人数より、多くの人数を自分の手で助けると誓ったのであった。
ハル 「マナも同じ気持ちでいてくれて嬉しいよ。これからよろしくね」
マナ 「こちらこそ、よろしく」
2人は固く握手をする。
【光の僧侶 マナ加入】
リク 「これで怪我しても大丈夫だな!」
ナギ 「無茶はするな」
リク 「うげっ、気をつけます」
マナ 「私が必ず治してあげる」
リク 「頼もしいな。マナの加入で大分このパーティーもバランスよくなったんじゃないか?近接に俺とハルとナギ、中距離にナギ、中遠距離に俺、サポートにハル、そして回復にマナ!な、バランスいいだろ」
ハル 「まぁ、確かにね。でも弱点もあると思う」
リク 「んー、どこだ?」
ハル 「魔法攻撃への対処だね。ナギの風で防げない場合全員もろに喰らっちゃうだろうね」
リク 「ゴーレムは、たまたま岩を割れたしあいつ自身は火の攻撃して来なかったもんな」
ナギ 「(それぞれのポジションをウチらが掛け持ちしてるのはノーコメントなのか!?)」
ハル 「言われてみれば、火の中長なのに、まるで岩の中長みたいだったな」
マナ 「そうなんだ。もしかして 中長はその称号の属性と違うの持っているのかな?」
ナギ 「どうだろうな」
4人は村を抜ける。
リク 「またな、ジャー村!運命の出会いをありがとう!行ってきます」
リクは後ろ向きに歩き村へ手を振る。それを見た村の住人もよく分からずもにこやかに手を振り返してくれる。
リク 「村の人達に振り返してもらう予定は無かったから、なんかめっちゃ恥ずかしい」
ナギ 「自業自得だな」
リク 「そりゃ、ないって。まじ恥ずい」
マナ 「姉さん地図見せてもらってもいい?」
ナギ 「いいぞ。それとなぁ、リク目をそらすなよ?」
ハル 「ナギ、姉さんになったの?笑」
リクは空を見上げるが、景色が頭に入ってこない。
ナギ 「マナに、姉さん呼びするようそそのかしたのリクだな」
リク 「すんません。でも、似合ってるやん」
ナギ 「そういう問題じゃねぇ」
マナ 「ナギ」
ナギは過剰に反応し、少し耳を赤める。
ハル 「なんだ、名前で呼んで貰いたそうな割に、いざ呼ばれたら照れるんだ」
ナギ 「う、うるさい」
リク 「可愛いとこあるじゃん」
突如リクに向かい風が吹き、前髪をぐちゃぐちゃにさせられる。
リク 「あー俺の前髪がー」
マナ 「後で、くし貸してあげるよ」
リク 「ありがとマナ!あーあーマナは優しいなー」
ナギ 「ウチは優しくなくて悪かったな」
ハル 「いや、ナギも相当だよ?」
リクの髪型は、さらにナギの起こした風で七三分けにされる。リク以外の3人は笑いすぎて、呼吸が困難になり、ハルに関してはむせていた。そんな瞬間をリクは恥ずかしがりながらも大切にしたいと思うのであった。
4人は大分歩き、目標よりもボイラーに近づいての野宿となる。いつもの様にリクが火を焚き、ご飯の準備を始める。ナギとハルは火起こしに余った木の棒で試合をしている。魔法とバフデバフは禁止にして、試合をする。パワーはハルが上、手数とスピードはナギの方が上である。ハルはナギの剣の扱い方に習い新技の練習をしていた。
ハル 「閃斬!」
これは、ナギに軽く止められる。しかしナギの反撃にはしっかり対処している。
マナ 「2人とも本当に強いんだね。あんなに身軽に動けるの羨ましいよ」
マナはリクに調理用のナイフを借りて野菜を切っている。リクはスープの味見をしながら答える。
リク 「あの二人の上昇志向は、すごいよ。まー今は俺にもあるけどな」
マナ 「道場に入る前は無かったってこと?」
リク 「違うんだ。父さんの死の前後は、父さんに良い所を見せる為とか、仇討ちの為に頑張ってた。でも、道場の教えは厳しくてさ、俺は逃げ出してきたんだよ。自分で旅した方が強くなれるはずって適当な理由を見つけてさ」
ハルとナギはリクが道場から旅に出たきっかけを知らない。リクは初めて仲間に打ち明けたのだった。
マナ 「もう、戻らないの?」
リク 「いや、師匠や村の人達にもお世話になったから挨拶しないとだめだ。ここまで鍛えてくれた事に感謝を伝えなきゃ。その時は、俺も強くなって、皆を連れて俺の育ちの村を紹介するよ。うまっ、マナも味見してみて」
マナ 「自慢できるぐらい強くなって帰ろうよ。あ、ほんとだ!おいしいね」
リク 「そうだな。あ、野菜切ってくれてありがとう」
火力を強め、スープの鍋を退かして野菜炒めを作り始める。
マナ 「リクは料理担当なの?」
リク 「うん。ナギが道案内とか色々サポートしてくれるし、ハルはあんまり睡眠時間長くないから夜の見張りとか朝起こしてくれるし」
マナ 「じゃあ、私は見張りの補助と料理手伝うね」
リク 「え、やった!助かるよ」
リク 「ハル、ナギご飯だぞ」
ハルがリクの方を見てよそ見をして美味しそうな匂いに鼻を膨らませる隙に、ナギが軽くハルの頭を叩く。
ハル 「ナギ今のはずるい!リクのせいだから!むしろリクの負け」
ナギ 「それはどういう訳だよ。ほらご飯食べるぞ」
マナ 「2人ともお疲れ様」
タオルを手渡す。そういう気づかいができる子だ。
リク 「水国の水で作ったスープうまっ!」




