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ノートクエスト  作者: 伊達柴紫
第1章水の姫
10/20

10話 ジャー村の出会い

ハル 「ここがジャー村、ココア村やミルク村と全然違うね」

 村の中心には、大きな川が流れている。その上には、思わず木の匂いと水の音に癒されたいがために足を止めてしまう橋がかかっている。そして、水国の綺麗な水はそのまま料理の美味しさに繋がる。土国で育った野菜と風国で取れる米、水国の水、火国のスパイスと火加減、そこに光国の超調味料を合わせて作ったカレーは食べた人を昇天させるほどの美味しさと言われており、それを食べることは全ての民の夢である。


リク 「涼しくて過ごしやすいな。俺、火国生まれだけどこれぐらいが丁度いいなぁ」

 

 3人は街並みを見渡しながら進んでいく。考え無しに歩いているが一応宿探しが目的である。

ナギ 「ミルク村では、タダで泊めてもらったが宿代は持ってるのか?」

リク 「町を出る前に稼いでた分とココア村で商人から受けとった分の残りはあるよ」

ハル 「僕も少し」

ナギ 「んじゃ大丈夫だな。流石にこれから復興っていうミルク村からのお礼金は受け取れなかったからな」

 

 村長は、ハル達にお礼のお金を握らせようとしたが、3人は全力で断り、代わりに食料を少し分けてもらったのであった。

 ナギが財布の中身を確かめている時、財布の中から放たれたBS硬貨の輝きに反応して空から鳥の魔物が飛来し、ナギ財布をくちばしで咥え飛び去っていく。

ナギ 「え、あ」

 

 すぐ反応したリクが錆びたナイフを投げて飛ぶ魔物を射る。その腕は10年前より洗練されており、正確性と投げるまでの動作と放ったナイフの速さ全てが向上している。魔物は嘴から財布を落とす。

「いたっ」

 

 女の子の頭に財布が落ちる。そして、その子の手の平に落ちる。

リク 「ごめん!大丈夫だった?」

女の子 「大丈夫だよ。私こそ全然警戒してなくてごめんね。ちょっと焦ってて」

リク 「急ぎだったのか、尚更悪いことしたな」

 

 女の子の前に射られた魔物が落ちてきて、そのまま消えていく。刺さっていたナイフだけがその場に残る。

女の子 「え、そのナイフで地上から撃ち落としたの?」

リク 「そうだよ。でも、俺も焦っちゃってて、下に人いるか確認してなくてさ、本当にごめん」

 

女の子 「すごい!私は大丈夫だよ。ていうか肩酷い傷!治すから座って」

 リクは半ば強引に座らされ、リクの肩の傷辺りにその女の子は手を当てる。遅れてハルとナギが着く。

ハル 「何してるの?」

リク 「なんか、財布が当たっちゃって謝っていたら、肩の怪我治すからって」

 

女の子 「どう?」

 リクは腕をブンブン回す。

リク 「治った!!ありがとう!君の魔法凄いね!」

 少し照れくさそうにしながら、ナギに財布を返す。

ナギ 「ありがとな。もし良かったらこいつの足も治して貰えないか?」

ハル 「いや、悪いよ」

 いやっ見せて、とこちらも半ば強引に足の怪我に治療魔法をかける。ハルのサボッチの針に斬られた傷は塞がり完全に治る。

 

ハル 「すごっ!ありがとう」

女の子 「こんなに傷をつけて、魔物に襲われでもしたの?」

リク 「火国の砂漠の魔物と、中長と戦ってる時に怪我しちゃったんだ」

女の子 「中長に出くわすちゃうなんて、生きてて良かったよ」

 

ハル 「村は酷い被害になっちゃったよ。もっと早く倒せる力があればと思ってる」

女の子 「中長を倒したの!?」

ハル 「うん。なんとかね」

女の子 「3人がもしよかったら…やっぱり何でもない」

ナギ 「何か討伐して欲しい魔物が居るのか?でも、強いから頼みづらいって感じか?」

女の子 「うん…。水城が今水柱に占拠されているの、そこで捕まっている私の友達を助けたいけど私には戦う力がないから助っ人を探していたの(この子凄い。私が考えていた事察してくれてる…)」

ハル 「詳しく聞かせてくれないか」


 彼らには、ゆっくりしている時間はない。そして、

 この出会いも、また運命なのであった。

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