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まぶしい

作者: うめぼし屋

はじめまして。うめぼし屋です。


初めて作品として投稿するので、このサイトの使い方とかどういうことができるのかとかを色々試しながら書きました。


この作品について、日常の中で気にかけてほしい人とか、コミュニケーションをうまく取れない人に対してどういうスタンス?で接していこうかみたいな自分の思いを表現した内容になってます。


多分、他の人が書かないようなテーマなので被ったりはしないと思うんですが、そもそも需要がなさそうっていうのは痛感しています...


勢いで投稿しちゃおうと思って出したので、挿絵も入れられてないし、最初に考えたテーマから少し外れて読みづらいところもあるかもしれませんが、最後まで読んで何かを感じてもらえたら嬉しいです。


今後もぽつぽつと少しづつ投稿していく予定です。

よろしくお願いします。


やわらかい光に包まれて目を覚ますと、担任の先生が黒板の数字の並びに指をさしていた。


ああ、寝ちゃってたんだ。入学して少し難しくなって、名前も変わった授業。

よくわからないXやY、数字を聞き流しながら、照らされた窓の方を見た。

光を浴びているけど、空っぽになったその席にはちょっと前まで座っていたあのこはいなかった。


何度か話したことはあった。けれど他の子とは空気が違って少し話しづらかった。

緊張していたのもあるかもしれない。

ぶっきらぼうに話すぼくとは違う、落ち着いた優しい声にまぶしさを感じていた。


  ”れいちゃん”


そう呼ばれていたあのこは、一週間ほど学校に来ていない。

原因はわからない。

人気者だったあのこに限っていじめられていたとも思えない。

参観日には、あのこの(うち)だけ両親そろってやってきて、笑顔であのこに手を振ったりしていた。

あのこもそんな両親を見ながら、照れくさそうに小さく手を振っていた。


環境に原因があるとは思えない...

じゃあ...なにか別の...


そんなことを考えていると、授業の終わりのチャイムが流れた。

ざわめく教室の中で次の授業の準備をしていると、


「ねえねえ」


後ろから声がした。


「今日さ、あのこの家に行ってみない?」

「家は知ってるんだけど1人で行く勇気なくて...」


クラスで少し仲のいい友達。

話を聞くと、あのこのことは入学する前から知っているらしい。


「知ってるっていうか、朝、あいさつした後にちょっと話すだけだったよ」

「周りにクラスの女子とかがいて、あんまり近づけなかったから」


入学前からそんなに人気があったんだ。

羨ましい、と思ってしまった。

目立たず、いつも隅っこで小さくなっているぼくとはちがう存在なんだと思った。

そんな子が、どうして...

友達に案内をお願いし、ついて行くことにした―


―学校から出て10分くらいだろうか。

友達と話しながらしばらく歩くと、小さな川があり、両端に黄色の花が咲いている橋が掛かっていた。


「橋を渡って曲がるとすぐなんだ」


橋を渡って右に曲がると、少しカーブした道の先に家が見えた。


「ここだよ」


その家の壁は薄い青色で、屋根は周りの木よりも濃い青だった。

見ると、2階の右上の窓が少しひらいてカーテンがふわふわ揺れている。

2階のふたつの窓より少し上に、もうひとつ小さな丸い窓があった。


「ほんとに大きいなあ…」


隣からそんな声が聴こえる。

すると、からから…と窓が開く。少しはみ出たカーテンがふわっと揺れた。

長い髪の、白い服を着たあのこがこちらを優しい顔で見ていた。


「こ、こんにちは!」


いつも落ち着いて話す友達が、少し焦った様子で声をかける。

するとあのこは、一瞬視線を落とし、またこちらを向いてこんにちは、と返してくれた。


「ねえねえ、」

「なんで学校に来ないの?」

「なにかあった?」

「...」


そんなに気になっていたのか、矢継ぎ早に質問をする友達にちょっと困った様子だったが、優しい顔であのこは答えていく。しばらく質問や、ちょっとした雑談などをしていたが、


「じゃあまってるね!」


そう言うと、友達は満足そうにあのこに手を振った。

最初と変わらず優しい顔で手を振るあのこに、ぼくも小さく手を振った。


「なんでもないからそのうち学校に来るんだって」


たしかに、前に話した時と何も違わない様子だった。

でもあれは…


友達の質問にひとつずつ優しい顔で、「なんでもないの」「大丈夫」と返すあのこにとても違和感を覚えた。

あのことの会話の内容を楽しそうに話す友達に相槌を打ちながら、

なんでもない、大丈夫。と頭の中で繰り返す。


分かれ道に着き、


「じゃあ、またね」


手を振る友達に、うん、とまた小さく手を振った。


家に着いて夕食を食べた後、気が付くとあたりは暗く、自分のベッドに横になっていた。

そんなに疲れていたわけではないのに眠ってしまったらしい。


部屋を出て階段を降りると、窓の外がボゥッと赤く光っていた。


あの光は何だろう。


窓に近づき、さらにその奥を見る。

周りの暗さで遠くに見える赤い光がやけに不気味に見えた。


あれは学校の方...?いや...


光に誘われるように外へ出て、その方向へ歩く。

夜とはいえ、周りがやけに静かだ。

いつもならまだ人通りがあってもおかしくないはずなのに。

しばらく歩くと、やがて小さな道が見えてきた。


…あれ?


   『ドクン』


…あの橋は…


   ―橋の両端に黄色い花が咲いている―


そんな、(ドクン ドクン)


      ―橋を渡り右に曲がる―


そんなわけない、(ドッドッドッドッ)


      ―少しカーブした道の先―


悪い予感とともに心臓の音も大きくなり、

そのうちそれは、岩のように重くのしかかった。


綺麗だった青い家は赤く照らされ、昼間のような熱気でゆらゆらと揺れていた。


  「れいちゃん!」


叫んだ声は赤い光にかき消され、小さくなっていった。


「...ふぅぅ」


...大きく深呼吸をする。

岩のようになった足を無理やり動かすと、突然足が上がり転びそうになった。


足は動く。

行かなきゃ。


震える手足を必死におさえながら駆け出した。

家に飛び込むと、赤い光が中を覆い、痛いほどの熱気が身体中の力を奪っていく。

痛みと闘いながらゆっくりと、しかし迷うことなくあのこの部屋へと向かう。


...諦めない


噛みしめるようにつぶやきながら、やがて部屋の前にたどり着いた。


『バンッッ』


扉を開けようと手をかけた瞬間、扉が勢いよくひらいた。

同時に、重く大きな光と熱気が吹っ飛んできた。


『近づかないで!!』


そう言わんばかりにふたつの塊が襲いかかる。

激しい光と熱気の中で、あのこは確かに、あの顔でつぶやいた。


「私、ずっとひとりだった。ごめんね」


...?


...ッッ!!!!!!!!


熱気と光を強引に押しのけ、手を伸ばした。


「そうじゃない!」


うつむいたあのこの視線が徐々にこちらに向かう。


いつも誰かが周りにいて。

その人たちは()()()笑顔で。


そうじゃなかった


あのこの大きな光は()()()を照らしていなかった。

高嶺の花みたいに扱われて。

周りの人だけが笑顔だったんだ。


「手を!」


瞬間、差し出す手から光が放たれる。

あのこと同じ赤い光。

その光は、あのこを囲むように渦巻き、重く、強い光と熱気は糸のようにほどけて消えていった。


キョトンとした顔であのこはこちらを見上げている。


「謝るのはぼくたちの方だ」

「君に気づいてあげられなくてごめんね」


すると、あのこは口を少し開けて、にっこりと、大きく笑った―



―気が付くと朝になっていた。

朝日のやわらかい光がカーテン越しに射して少し温かったけど、あの時の熱気や光の感触は感じなかった。

はっとして窓の方を見る。

布団を跳ね飛ばし、恐る恐るカーテンをめくった。

家が見えるわけではない。

ただ、確かめずにいられなかった。


...特に変わった様子はない。

昨日のことで何か騒ぎが起こっているかもと思ったが、いつもと同じ静かな朝だった。


まだまどろんだ頭で支度を済ませ、階段を下りる。

下ではすでに両親が朝食をとっていた。


「昨日火事ってなかった?」


?...両親は一瞬驚いたような顔をして顔を見合わせたが、ないと思うよ、と少し笑いながら答えた。


 夢だったのかな...


深いため息をついて椅子に腰を下ろした。

朝食を済ませ、準備したカバンを肩にかける。

いってきます、と声をかけて家を出た。

途中、あのこの家がどうなったか見に行こうと何度か考えたが、やわらかい光に後押しされ真っ直ぐ学校に向かった。


校門をくぐると、もう登校している人が大勢いて、先生たちの車やバスが学校に入ってきていた。

玄関でひとり、ふたりと軽く挨拶をして廊下を抜け、教室の扉を開ける。


「!」


光をあびたその席に、あのこが座っていた。

あの優しい顔を浮かべながら。

そっか、やっぱり来られたんだ。


久しぶりに見たあのこにざわめく人。

すぐに近寄って、何してたの?と笑いかける人。

そのすべてに、優しい顔で照れくさそうに応えていた。


ほっとしたが、少し気になることがあった。

あの時。最後のあの顔―

周りにいる人達の間をするすると抜け、ゆっくりとあのこの席に歩いていく。

あのこの横に着くと、小さく手を振り、おはようと声をかけた。


すると、あのこは()()()()()()()()()()()で、おはよう、と応えた。

その顔を見たとき、やっぱりあれは夢だったのだと確信した。


そこから離れ、トン、と机にカバンを置いて席に座る。

チャイムが鳴り、授業がはじまる頃になると、あのこの周りにいた子たちも次第にそれぞれの席に戻っていった。


しばらくあのこを見ていると、少し身体を揺らして、下を向いたと思ったらすっと立ち上がった。

周りの子に優しく笑いかけながらこちらにゆっくりと歩いてくる。

あのこは目の前で立ち止まり、驚く僕の顔を見ながら少し照れくさそうに、

にっこり、大きく笑いながら言った。


「おはよう!」




最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


まず、これを書いた経緯なんですが、私は俗にいうポエマーみたいなことを普段の生活の中でしています。文章を書くのが好きなこともあって、自分がメモしていた言葉の中から物語を書いてみたいなと思ったのが始まりです。


前書きを書いた後、投稿する前の最後のチェックをしたんですが、本当に書きたいことがまとまってないし、展開が走りすぎててなんだかなあって感じです。


ジブリ作品の中でヒロインが言っていたことが頭の中にぐるぐるして、多分、有名な作家さんとか、ここで物語を書いてる人ととかが経験してきたことなんだろうなあと考えると、ふわあああ(?)って感じです。


もっと他の人の作品とかを読んでテーマの決め方だったりまとめ方をしっかりしていけたらなあと思いました。

ここまで本当にありがとうございます。


またね

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