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憎悪騎士シリーズ

階段を進み続ける騎士

作者: リィズ・ブランディシュカ



 あるところに、一人の騎士がいました。


 騎士は、まっ赤な階段を下っていきます。


 その階段の先は、まっくらで何も見えない。


 でも騎士は、それでも先へ進んでいきます。


 なぜなら騎士の目には、光が見えているからです。


 他の誰にもそんな光は見えません。


 だから、誰もその階段を下りてはいきません。


 でも、騎士には見えるから。


 迷うことなく、どんどん先へ進んでいきます。


 その階段の先は、途切れているかもしれません。


 もしかしたら、何か扉があってどこかの部屋に繋がっているかも。


 ありえない事に、化け物がひそんでやってきた人をぱくっと食べてしまうかも。


 それらを騎士は何も知りません。


 やがてくる未来も知りません。


 でも、それでも、ずっとずっと階段を下り続けています。


 もしも、階段に終わりがなかったとしたら。


 その騎士は、これからもずっと、下り続けるのかもしれません。



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