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第1話

創世記 11章 より


 俺が聞いた話では、かつてすべて人々は、同じ言語を話す1つの民族だった。


 すべての民は同じ言語であるため、意思疎通がとても円滑だったそうだ。


 神はこれを良しとして彼らが安住の地をみつける事を許したらしい。


 しばらくすると、人々は大きな平野を見つけ住居を作り出した。


 しかし、それはかつて神が人に教えた石と漆喰の建築ではなく


 煉瓦、そしてアスファルトを使った巨大な塔だった。


 遥かなる空の上、天界の神の麓にあるエルダー評議会、それを率いるミカエルは神の指示を受け、その巨大な塔を偵察に向かった。

 そこでミカエルはニムロドの下で人々の作った巨大な塔はいずれ天まで届くことを知る。


 その報告を受け、神の意志を超えた今回の原因を神は以下のように定義した。


1,彼らは【単一民族】であった

2,彼らは【単一言語】であった


 これを踏まえ神は言った、人間が天まで届く塔を作る事は許されない。

 よって神の名のもとに塔を崩壊させ人々を以下のように定義する。


1,人は【多民族】であること

2,人は【多言語】であること


 その決行の日まで残された時間はあまりにも少なかった。

 ミカエルは神に慈悲を求めた。

 神は言った。選ばれし一人の人間を救世主とすると。


 巨大な塔、バベルの塔はもうすぐ最後の日を迎える。

 人は神の意志を超え発展をしすぎてしまったのかもしれない。


 なんたって女子高生までいたんだからな。


※※※※※※※※※※


キーーーーン

    キーーーン



 知らない人に抱かれてる…。


 この人は誰?


 顔…見えない、耳鳴り…止まらない…。


 多分…男のヒト…?


 やだ…、どうしよう…。


 学校は?みんなは?


 気持ちがざわつく。周りには硝煙が立ち込め、鼻をつん裂く刺激のおかげで耳鳴りは消え、彼の声だけがしっかりと聞こえる。


「つまり、これで人々は再び歩み出すんだ、そうバベルの塔は終わる。

心よりも先に、不安を察した全身が未来への覚悟を教えてくれる」


 この人何を言ってるの?


「慣れればきっとワクワクするさ!

まあ、今は不安でそれどころじゃないけどさ。

結果としてだね~、不条理の中、未来は全く不透明!

でもそれが生きてるって事!」


 意識が遠のきそうになる。


「おっと、ダメダメ。君はただ呼吸をしてくれればいい。

さあ、吸って〜吐いて〜」


「すーはーすーはー」


「そうだ、それにしても俺たちはこれからどうするかな〜」


「わからないの?」


「そうだ、君の未来を決めるのは君自身だから」


 彼の手は私の血で濡れていた。その言葉を受けて私は答えた。


「生きる事より大切なことがきっとあるよ」


「……」


「ねぇ、一つだけお願いを聞いて、それはね……」


 この問いを受け止めるため、深い期待と不安と決意をもって

彼は私の言葉に耳を傾けた。


――――――――――――――――――――――――――




 明るい日差しが差し込む、それはいつもの変わらぬ定番の朝日。


 そして私は女子高生。


 でも今はパンダの寝間着にくるまって、更に毛布にくるまって

目を覚ます事を否定したい気持ちでいっぱい。


 目覚まし時計は抵抗を続ける私に屈服し、もう鳴りくたびれてしまったのだろうか

静かに時を刻んでいる。


 夢の中にいたあの人誰だったんだろう。

 私…何を言おうとしてたんだろう。


「りんこ〜、レモンちゃんが迎えにきてるわよ」


 階段の下から叔母さんの声がする。


「えっ、ちょっちょっと待って」


 すると、ちょっと機嫌の悪そうな女の子の声。


「りんこ~、早くしないと学校遅れるよ~」


「レモン、ちょっと待って! あわわわわ」


 こうして私は慌てて身支度を始めた。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※


 そしてここからいきなり”俺”の話になる!!


(つづく)

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