表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/21

21.『美波の幸福が』(恵美

読む自己で。

「悔しいぃ! ったぁ!?」


 わたしは鉄柵を叩きつけてひとり痛みで悶絶していた。

 わたしは勝負に勝って戦いに負けた。それは紛れもない事実。

 美波は高柳中に取られ、美波が離れてからはひとり寂しい生活だ。


「物に当たるのは良くないな、加藤よ」

「あ、小早川……先輩」


 こう言うのもなんだが、どうして先輩ではなく美波を選んだんだろう。

「先輩はつけなくていい」と口にし、彼女は穏やかな笑みを浮かべる。


「静さんはどうしたんだ?」

「教室で課題をやっている」

「小早川はなにしに来たんだ?」

「特になにもないな、屋上に来たら加藤がいたってだけだ」


 そりゃそうだ、わたしになんか興味があるわけもないだろうし。


「小早川は納得してるのか?」

「ん? ああ、しているよ。というか、するしかないだろう?」


 それもそう、美波が、高柳が、お互いが相手を求めたなら外野は黙るしかできない。

 なんらおかしなことではない。ただ、


「もう少しワガママになってもいいんじゃないのか?」


 だからって好きだって気持ちは簡単に捨てられないだろう。

 その程度だったらそりゃ負けるに決まっている。


「どれだけ足掻いたところで状況は変わらないし、より惨めになるだけだろう? それに私はしてはいけないことをしてしまった。普通の友達に戻れたのも、彼の優しさあってのものだ。普通なら友達に戻れないどころか嫌われて終わりだというのにな」


 そうか、乾にも協力してもらって変な環境を作り上げたんだよな。

 でも、わたしが高柳の立場だったら心が壊れかねないぞ、それは……。

 だから耐えた高柳は凄いし、潰れる前に支えられた静さんも凄い。

 ……やっぱり人はひとりでは生きられないんだ。金とかそういうことではなく、根本的な問題としてだ。


「……嫌だけど、美波が幸せそうなら良かったよ」

「ああ、中が幸せそうなら私も嬉しい」


 認めたくないが、美波が認めた相手だということを忘れるな。

 好きな子が好きな人と楽しそうにしているなら、できているならそれでいい。

ここで終わる。


ありがとう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ