君に僕だけを見て欲しい!
___僕は、独占欲が強いのか?
僕の好きな人に僕だけを見て欲しいと強く望んでしまうんだ!
・・・だけど?
君は僕の事が好きじゃないでしょ?
___いや? そうじゃないね。
・・・君は僕の事を、何も知らないだけなんだ。
だって! 僕が一方的に君の事が好きだからだよ。
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___僕の名前は、『植野木 遥斗』22歳、飲食店のバイトをしている。
・・・たまたま、僕は君を見つけたんだ!
僕のバイト先の向かいにある、花屋さんで君が働いていた。
僕は、君とこんなに近くで働いていたのに君の存在に気づくのが遅かった
と後で気づく、、、。
___僕と同じバイト先の男と彼女が付き合っている事を後で聞いたからだ。
『おい、植野木? お前、知ってたか?』
『___えぇ!?』
『___向かいの花屋さんで働いている女の子と東山が付き合ってんだって!』
『・・・向かいの、花屋の女の子って?』
『___えぇ!? お前知らないのかよ! 可愛らしい女の子だったぜ! 東山
には、勿体ないぐらいの女の子なんだよ!』
『・・・そんなに可愛いの?』
『___あぁ! バイトが終わったら、見て帰ればいいよ! どうせさ~帰り
通り道なんだろう!』
『___あぁ! 名前とか、分かるのか?』
『・・・確か? 福能勢って子だったかな? 見ればわかるよ、胸元に名前が入
ったバッチがついてるから! いや~本当に可愛いんだぜー!』
『___そんなに可愛いんだ?』
『___あぁ! まあな!』
▽
___僕は、バイトが終わってその花屋さんの横を通り過ぎる時に彼女を探し
ながら、ゆっくり歩いていると?
・・・そしたら?
いたよ! 名前にも特徴があるから直ぐに分かったのだけど?
それより何より、ただただ可愛い女の子の印象が僕の記憶に残ったんだ!
・・・そして。
僕は、彼女にトキメいてしまった!
これを! 【一目惚れ】と言うんだろうな、、、。
___でも?
既に、彼女には【東山】という彼氏もいるし!
【・・・僕は、どうしたらいいんだろう?】
やっぱり、彼女の事は諦めるしかないのかなと思っていたんだけど。
*
___そうしたら? 僕に“チャンスが来たんだよ!”
僕に彼女の事を、教えてくれたバイト仲間の男にこんな事を聞いたからだ!
『___なあ、植野木! お前聞いたか?』
『___えぇ!? 何を?』
『どうやら? 東山と花屋で働いている福能勢って女の子、別れたらしいぞ!』
『えぇ!? マジかよ!?』
『___あぁ! これは、有力な情報だぞ! なんたって! 東山から直接俺が
聞いたからな! 本当の話だよ!』
『___そっか、』
『何嬉しそうにしてんだよ! もしかして? お前、あの子の事狙ってたのか?』
『・・・あぁ、まあ、そうかもな!』
『___じゃあ、二人が早く別れてほしいとか思ってたんじゃないのか?』
『・・・そんな風には思ってないよ。』
『___本当かよ!?』
『___あぁ、』
___本当は、早く二人が別れてほしいとずっと想ってたよ。
・・・だけど? コイツにも言えないし。
___言う必要もないだろうと想って黙ってただけだ!
▼
___僕は、その日のバイト帰りにいつもの花屋さんの横を通って帰ろうと
思っていると?
まさか!? アイツ、僕より先に彼女に話しかけてるじゃないか!?
___あの時の僕は、黙って見ないフリをして横切るしかなかったんだ!
・・・アイツは、僕の存在に気づいていたけど。
このままじゃ、また他の男に彼女を取られてしまうじゃないか!
・・・・・・どうしたらいいんだ?
*
___僕も次の日、思い切って彼女に話しかける事にしたら?
また、アイツが彼女と仲良く話していたんだよ!
・・・その日も、僕は花屋さんを通り過ぎて家に帰ったんだ。
僕は、次のバイトが入っている日に、アイツに彼女の事を聞いたら?
『___あぁ、俺とあの子、もう付き合ってるから! お前、邪魔すんなよ!』
・・・アイツに、そう言われた。
___結局、僕は彼女を諦めるしかなかった。
既に、他の男と付き合っているなら? 僕の出番はないだろう。
彼女は、僕の事を何も知らない。
・・・君に僕だけを見て欲しかっただけなのに。
それすら、叶わないのか......。
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