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命を狙われた王子、全てが嫌になり天使風の女冒険者になって百合つきながら無双の旅  作者: ゆりようさーびす
天使になって女神様と百合つくついでにSランク冒険者編
9/25

天使、試験を受ける3

〜ルーティ視点〜


「ふーん、いい動きね、もうちょっとその技を『同時』に近付けられたら私も防げないよ」

余裕のありそうな態度でそう言うものの、この時ルーティは内心(死ぬかと思った……)と冷や汗をかいていた。


先程攻撃を防げたのはほぼ偶然で、手足のどこかを狙った抜刀術ということしか分からなかったため手に防御魔法を張り槍を回して斬撃を防いだのである。


ユニは勘違いしていたが、何度もあの技を使われればいずれ間違いなく防ぎ切れなくなるだろう。

だがカウンターの技を見せたのだ、少なくとも乱発されることはないだろう。


そしてルーティは突きを避けた時の様子を思い出し分析した。

(あれは私の反撃を感知して跳んだ様子じゃない、ちっ……運が無いな)

ルーティは己の不運に舌打ちする。

この時既にルーティの中でユニの評価は経験の差など込みで『自分と同等かそれ以上』に上がっていたのだ。


だがルーティはむしろ勝てる可能性は高いと分析していた。

(どうにもこいつ対人経験はあんまり無いらしい、それならまだやりようはある)

そして何よりAランクのプライドがある、どれだけ強かろうがまだ登録も済ませてないような新人に負ける訳にはいかない。

ルーティは一層集中する。


そして『槍』と『剣』の戦いは不思議な方向へと進行していった。

いきなりルーティが距離を詰め、ヌンチャクのように身体の周りで槍を回しながらフェイントと鋭い突き、払いを繰り出したのだ。


ユニは意表を突かれた様子で防戦一方になる。

そしてただでさえ対人経験に乏しいユニに一流のフェイントを正確に見極めろと言うのは無理のある話であった。

ジリジリと後退しつつなんとか攻めを捌く。


(何か手を隠しているな)

ユニが魔力を込めて何かしようとしているのをルーティは見抜いていた。

「ふん、攻撃魔法まで使えるのは予想外だったが意識しすぎだな、バレバレだぞ」

そう言ってやるとユニは「バレた!もうここしか無い!」という顔をして魔法を使う。


パァン!


ルーティの顔へと雷閃の魔法が襲いかかる、常人ならば何も出来ずそのまま頭が弾け飛んでいただろう。


…だがルーティは常人ではない、惜しいところで槍に弾かれる。


(勝った)とルーティは確信した。

魔法というのは上位の物であればあるほど使ったあと隙が生じる、体内の魔力量が急に減るのが原因だ。

そして雷閃は一撃必殺の上位魔法、どうやらこれが切り札だったのだろう。


宮廷魔道士さながらの魔法には驚いたが、それだけだ。

槍に『魔力威力軽減』の細工をしていなければ今頃直撃を受け最低でも気を失っていただろうが、そんなもしもの話はこの戦いには必要無いだろう。


転ぶ前に杖を用意していたことの安堵、そしてこの久しぶりのヒリついた勝負に勝てる喜びに震えつつ、無防備な状態のユニへと最後の一撃を浴びせるため槍を横に振るう。


だが石突きがユニに触れる直前、ルーティは四方八方から雷に打たれ気絶した。


▲▲△△▼▼▽▽


〜ユニ視点〜



目の前には雷に焼かれた試験官が倒れている。


「ブラウザバック」

流石に放っておくと死んでしまうためユニは試験官を『戻した』

すると試験官は目を開け一瞬ビクッ!としたものの、何が起きたのかわからない様子で周りを見ている。


「もしかして、私負けたの?」

気絶する直前まで勝ったと思っていたのだろう、本当に?という表情で試験官はユニに問いかける。


「えへへ、私の勝ちです」

どうだ、と胸を張って答える。ここで済まなさそうな態度で答えるのは失礼だろう。

「そう……そう……負けた負けた負けた負けたそうね負けたのね……」

「……え?あ、はい……」

ユニはこのあとどうやって自分が勝ったかを自慢…解説しようとしていたのだが、小さな声で負けたと連呼している試験官を見てそれどころでは無さそうな雰囲気を感じた。

(あ、あれ?これお互い全力を尽くして友人になるコースじゃないの?)

ユニは仲良くなる気満々だったのだが、試験官はぬっっと立ち上がりとぼとぼ歩いてどこかへ言ってしまう。



「すごいすごーい!ユニさんAランク以上確定ですよぉ!」

空気を読まない受付嬢のはしゃぐ声だけが虚しく会場に響くのであった。

試験のお話はこれでおしまいです!

何かもやっとする終わり方になってしまったので次の話も書いて今日中に投稿しようと思います。


もしも面白かった、続きが読みたいと感じて頂けたらモチベーションのために評価&ブックマークよろしくお願いしますー!!

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