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命を狙われた王子、全てが嫌になり天使風の女冒険者になって百合つきながら無双の旅  作者: ゆりようさーびす
天使になって女神様と百合つくついでにSランク冒険者編
6/25

天使の願いを過剰に叶える神


お風呂に入り部屋で少しくつろいだ後、ご飯を食べに食堂にやってきた。


昨日からカチカチのパンと水しか口に入れてなかったユニはこの時が待ち遠しかった。

(まぁ日頃無駄に良いものを食べさせて貰ってたらしいしね、期待はほどほどにしとこ)


ヨダレを拭きつつすました顔でメニュー表を見る、うーんわからん。

正直肉の種類や焼く煮る等を書いてあるものはわかるけど、料理の名前は見たことも聞いたこともないものが沢山ある。

全部制覇してランキング作っちゃおう。


とりあえず注文を聞いて回ってるおばさんに声をかけよう。

「あの〜こっちお願いします〜」

「あいよぉ!……ってユニちゃんじゃないの、そんな隅っこ座ってないでアンタはこっちこっち!」


おばさんに腕を引っ張られさささっと5人用の大きな丸いテーブルの方に座らされる、そういえば客寄せにされるんだったね、わざとじゃないよ。

おばさんには相席になった人と笑顔で会話してくれるだけでいいと言われた。


「それで注文だね、何にする?」

「はい、ちなみにおすすめは何ですか?」

「今日はキングオークの紅焼きとゴブリン煮込みだよ」

「ゴ、ゴブリン煮込みですか?」

ゴブリンってあのゴブリンか、あれを煮込んじゃうのか。

反応に困るこの煮込み…

…うえっ!微妙なダジャレ考えちゃったし制覇するのやっぱやーめたーー!


ダジャレと煮込まれているゴブリンを想像して気分悪くなっているとおばさんはバッハッハと笑う、笑い方凄い。

「あんたもしかしてゴブリン煮込み初めてかーい?不味かったら残していいから食ってみな!」

おばさんの顔は悪戯を考えてるようなニヤニヤ笑いだったが、残していいとまで言われると「いらないって言ってるだろ!」とか言えなくなってしまう。

本当に美味しくなかったら残すからね、遠慮しませんよ!

「じゃ、じゃあオススメ両方下さい……あとこの特製パンと野菜スープを」

「あら、沢山食べるわねぇ。すぐ持ってくるから待っときなさい」

煮込みを頼んでるのにスープも一緒に頼んで〜と怒られるかもと思ったが何も言われなかった。

待ってる間暇だなぁ、と足をパタパタさせながらメニューの数を数える。


…………


あ、飲み物忘れてた。とおばさんに声をかけようとすると食堂に冒険者っぽい見た目の男3人組が入ってきた。

男達は案内されてこちらへとやって来る、どうやら初の相席相手はこの人達らしい。


何やら嬉しそうにしているがいやらしい視線などは感じないしいい人そうだ、少しだけ緊張が解ける。

「じゃあユニちゃんよろしくね」

「はい、大丈夫です。……あ、あとエールを」

「おばちゃん、俺らもエール!」

「あいよ〜」

うーむ、何を話せばいいのかわからない。とりあえず笑顔でいればいいよね。

ニコニコ


「君ユニちゃんって名前なの?こんなに可愛い子と相席出来るなんてやっぱり今日の俺らはツイてるな、なぁ?」

「ブンの野郎のことっすか?ありゃラッキーっすね」

「そうっすねぇ、あとぶっちゃけこんなに席空いてんのに相席とか舐めてんのかって思ったっすけど、こんな子と飯食えるなら逆に金払いたいっすわ!」

わっはっはと笑っている細マッチョの後ろからニュっとおばさんが出てくる。


「エールおまち!あとユニちゃんの料理ね。…それとチップはいつでも歓迎してるんだけどね?」

しっかり聞いていたのだろう、おばさんの迫力に負けた細マッチョがゴールドを渡していた。


「あ…あはは…聞き逃してはくれないんすね…」

ちょっと涙目だったが自業自得だろう。


ふと会話の中に聞き覚えのある名前があったので尋ねてみる。

「あの、ブンさんって拳を強化して戦うブンさんですか?」

「ん?ユニちゃんももしかしてアイツにサシ勝負の粘着されてるクチか?」

「ええ、今日ギルドで急に殴りかかられましたね、他の人にもあんな感じなんですか?」

魔物と戦ってヘロヘロになって帰ってきても今度はギルドであんなのに絡まれるなんて大変だなぁ……


「おーそうだぜ、俺達のクランにも被害者は多いなぁ。けどまぁ安心しな、アイツ今日なんか酷い目にあったらしくて人が変わったみたいに大人しくなってたし」

へー、あの人も大変なんだなぁ、もぐもぐ

「急に殴りかかられて無傷って、ユニちゃんって意外と凄い?」

「ほんなほほ、はいえふ」

ふーんと話を聞きながらパンとお肉を食べていたので返事がほふはふになってしまう。


あらこのパン美味しい。

特製って言うのは上に塗られてるこの少ししょっぱいタレなのだろうか。パンは焼きたてらしくふわふわで甘いためしょっぱ甘くなっておりかなり相性が良い。

紅焼きは正直赤い以外特に普通のステーキとの違いがわからないが、肉の下処理の仕方が良いのか普通に美味しい。半分ほど食べたところでパンに挟み一気に食べるとなんだか癖になりそうな身体に悪い味がした。


…もぐもぐ


「ユニちゃんが口の中パンパンにしてるの見てるだけなのに、なんだか俺幸せになってきたっス……」

「「わかる」」

細マッチョが何か言ってるがカチカチのパンばかり食べてたユニはそれどころでは無い。もきゅもきゅ噛んで最後にエールで流し込むととてつもない幸せが訪れる、思わず「あふぅ〜」と声が漏れてしまう。

(…城の料理より美味しいんじゃ?)

ユニは庶民舌なのであった。


この後、同じ物を頼んだ3人組は口を揃えて「この食べ方うまっ!」と驚いていた。ふふふ、そうだろうそうだろう。


自室に戻り寝る支度を済ませていて思い出したが、クランというものが初耳だったので聞こうと思っていたのをうっかり忘れてしまっていた。

ご飯を食べたあと何だかんだで仲良くなったため、サービスで腕をマッサージしながら愚痴を聞いてあげていると、帰る前に「絶対また来ます!」と何故か敬語で言っていたのでまたその時にでも聞けるでしょう。


今日は朝から色んなことが一気に起きたため自分で考えているよりも疲れていたのだろう、ベッドに入るとすぐに眠気がやってきた。

(明日は依頼を受けに行こうかな…あと武闘会の開催日とか聞いて…zzz)

zzz…シュィィン


寝ているユニの身体が発行し、使用出来る魔法が一つ追加される。

『一流の冒険者になりたい』という願いは聞き入れられた。

『初日以降は一日一度、身体能力が向上するか使用可能な魔法が増える』という形で。





ちなみにユニは『めちゃくちゃ可愛い天使がマッサージしたり優しくしてくれる宿がある』という噂を聞いてきた冒険者達に毎日サービスを要求されるのだが、滅多にそれをすることは無いのであった、あと『ゴブリン煮込み』はゴブリンっぽく切り抜かれた人参と豚の美味しい煮物でした。

ふふふ…ブックマークの闇の力はこの身体によく馴染む…


祝!!ブックマーク初2桁!!!!

2桁でこんなにも嬉しいなんて夢にも思ってませんでした…楽しみを与えてくれる皆様に感謝です!

面白いものが書けるようになるようきっと明日の私が頑張ります!

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