天使、領主に呼び出される
翌日、事件は起きた。
ギルド長が何者かに殺されたらしい。
昨日は夜遅くまでサラの誤解を解いていたためサラと一緒に昼まで寝ていると、情報収集をしていたルーティに叩き起され何が起きてるか説明された。
理解理解といった顔をしていると、ルーティがこちらにジト目を向けていることに気がつく
「まさかとは思うけど……ユニまさか……」
「ち、ちがうよ!?」
「だって昨日『何かしてる』みたいなこと……」
「あれは領主さんの方に仕込みを済ませただけでギルド長にはなんにもしてないもん!」
「え?領主もやっちゃったわけ?」
「だぁーーーーーー!!!」
いきなり大声を上げてベットに飛び込むユニ
最近誤解されること多いなぁ!と心の中で愚痴るのだが、自業自得なのであった。
「ふふっ、わかってるから機嫌治しなさいよ。というか流石にユニでも殺したりはしないわよね、ちなみにギルド長にはどういうお仕置をするつもりだったの?」
どうやら意地悪をしていただけらしい、ベットに座りユニの頭を撫で始める。
「ぐぬぬ……むぅ……聞きたいの?」
「聞きたいなぁ〜」
頭、頬、首と撫でていくと次第にユニの顔が蕩け始める。
「仕方ないなぁ〜……ギルド長はねぇ」
「うんうん」
「アレを切り落として塩を塗って『戻して』殺してくれって泣くまで繰り返し」
「わー!!わーーー!!!」
「えっ?」
お仕置について語っていると急に大声を出して抱きついてきた。
意味がわからないのでそのまま撫でられていると今度は同情するような慈しむような声音で話し始める。
「うぅ……弟達のせいで歪んじゃったのね……大丈夫よぉ……もう大丈夫だからねぇ……」
「え?……えっ?ありがとう?」
その後起きてきたサラにジト目で見られてることに気がつくまで、ずっと撫でられ続けるのであった。
▲▲△△▼▼▽▽
また次の旅に出るため必要なものを買いに外に出ると、ちょうど目の前に無駄にきらびやかで趣味の悪い馬用装甲を付けた馬が止まる。
「む、貴様ら見ない顔だな。冒険者か?名乗れ」
馬に乗ったままの騎士が高圧的な態度で言う。
「……私はこのパーティのリーダーのルーティ、こっちの白いのがユニで黒いのがサラよ」
見た目の趣味は悪いが、物自体は上等そうな物である。
ということはそれなりの身分の人間の騎士だろう、と判断したルーティはとりあえず名乗る。
「ほう、貴様がルーティか。領主様が呼んでおる、3人共馬を用意して付いてこい」
「わかりました」
嫌よ、と言おうとしてそうなルーティより先に了承する、ルーティがジト目を向けてくるが仕方ない。
予想通りならば今は相当焦ってるはずだ。
「仕方ないわね……行くわよ」
数秒見つめ合ったが、返事をしてしまっているからか、そもそもこの騎士の態度が気に食わない以外に断りたい理由がなかったルーティは諦めた。
「馬は2頭しかいないからサラは私と一緒で我慢してね」
「サラは大丈夫です」
サラは別に態度がどうとかはどうでもいいようで普通に返事をした。
「では支度をしますのでお待ちください」
「あぁ、早く済ませ」
返事はせずにっこり笑って支度をしに行く。
(ギルド長で晴らせなかった鬱憤もまとめてぶつけてあげますよふふふ……)
なんだかこれフラグっぽいなと薄々感じるユニなのであった。
昨日何があったのかジャンル別と総合日間の端っこの方にランクインしてましたw
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