天使、孫になる
3人は誓約書にサインをし、報酬を受け取った後宿へ戻っていた。
「……それでユニ、領主の話はどうするつもりなのよ」
「ふふふ、ナイショだよ〜」
「ユニ様、悪い顔してます……」
悪巧みをしてますと言わんばかりの表情をしてみせるユニを見て、サラは軽く引いていた。
「ふーん、私達にも内緒なんだ?」
そう頬を膨らませながら言ったのはルーティ、秘密を共有することでユニと繋がっている感覚を得ていた彼女にとって、秘密にされるのはあまり気分のいい物では無いのだ。
ユニはうーと唸りながら風船みたいに膨れてるルーティの頬をつっついて空気を抜く、可愛い。
「秘密にしておいた方が明日すっきりすると思ったの」
そう、別に意地悪で教えないわけではないのだ。
趣味が悪いかもしれないが、2人には明日領主とギルド長の不幸な様を見て溜飲を下げて貰いたいとユニは考えていたのだ。
「すっきり?ユニあんたもう領主達に何かしてたの?」
「ぐ〜ふ〜ふ〜!だからそれは秘密だって!とりゃ〜!」
ユニのくすぐり攻撃だ!
「わっ!ご、ごめんってば……あっはっはは!」
「サ、サラも混ぜて欲しいです!」
それからルーティが気絶するまでそれを続けていた2人にも、一日通してずっと動いていた疲れから眠気がやってくる。
するとルーティの腕を枕にしているサラがうとうと船をこぎつつ、ずっと気になっていたことを質問する。
「そういえばユニ様、ずっと気になっていたのですが蛇神様はどちらにおられるんですか?」
「どこ……うーん……どこなんだろ」
そういえばそうだ、蛇神が封印されている元魔王というならば『ウロボロス』は雷閃のような魔法ではなく召喚魔法のような扱いになる
「え?わからないのですか?……も、もしかしてアイテムボックスに……?」
「違う違う!」
魔法で洗脳してモノ扱いしてる外道だと勘違いされてそうなので慌てて否定する、そうだ!
「魔王なら喋れるだろうし直接聞けばいいや、プチ『ウロボロス』!」
すると巨大な頭が6つ出てきそうになったためストップをかける。
「はい、そこでストップ!聞きたいことがあるんだけど、喋られる?」
止まったことを確認したら次は言葉を話せるかどうかの確認だ。
すると蛇神はすんなりと話し始めた。
〘おう!おじいちゃんもお話したかったんじゃ!〙
「お、おじいちゃん?」
〘ふはは!ユニちゃんにはわしの魔力が流れ始めとるからのぅ、わしからすれば孫みたいなもんじゃ……それにしても可愛ええのぅ……〙
凄いフランクかと思ったらデレデレモードに入った蛇神
「そうなんだ……それでサラちゃんが普段どこにいるのか気になってたみたいなんだけど、おじいちゃんってどこにいるの?」
サラに直接聞いてもらおうかと思ったが、顔を青くして緊張していたのでやめておく。
〘おじいちゃん……ええ響きじゃのぅ……っと普段どこにおるかじゃと?〙
「うん」
〘そりゃもちろんユニちゃんのアイテムボックスの中じゃよ〙
「じゃあまたね!」
〘え?おじいちゃんもっとお話した……〙
私は急いで魔法を解除する。
「やっぱり『モノ扱い』してるんですか……?」
「違うからっ!」
誤解を解くのに例の棒は大活躍しました。
祝!!ブックマーク100件突破!
ほんと〜に嬉しいです…投稿を始めた時はこんなに反応が貰えると思ってなかったので感無量ですね…
あと昨日後書きであんなこと言っておいてなんですが、今日は記念に2話更新です!
評価もそれぞれあと少しで合計100突破です…!
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