天使、限界が知りたい
短めです
「「「うわー……」」」
3人は気持ちが悪くなるくらい大きくなった大木の『魔物』を見上げてドン引きしていた。
「なんでこんなに大きくなるまでほっといたんだろ……」
ユニは当然の疑問を口にする。
すると昨日の間に軽く情報収集をしていたルーティがそれに答えた。
「最初は切ろうとしたけど偉い人が依頼料をしぶってまともな報酬が出されなかったらしいわよ、何か話が変だと思ったら魔物だったのね……」
「それで気付いた時にはもう成長しすぎてて手に負えなくなっていたということですか…その領主は無能ですね」
自分が上に立つ人間だからだろう、サラはいつになく毒を吐いていた。
今回の依頼はこの魔物を伐採するか、それが出来ない場合はこの魔物に魔力を込めればいいらしい。
なんでもこの魔物は幹に貯蓄してある魔力が無くなると地面から莫大な栄養を吸い上げてしまうそうで、放っておくと街の畑が死んでしまうので定期的に冒険者に魔力を込めてもらってるらしい。
「だから樹がどんどん硬くなっていくのがわかってても魔力を込めてもらっていると……」
「魔力を大量に込められる人が常駐していないから街の名物依頼とか言って冒険者を集めてるのもマイナスポイントです……」
「というか依頼を受けた他の冒険者はなんでこれを黙ってるのかしら……もしかして『特別な報酬』とか……」
「「「はぁ……」」」
ため息が止まらない3人
「まぁ知らなかったとはいえ受けて良かったわね、依頼の方は明確な説明不足による違反行為として王都に報告するとして、こいつはさっさと伐採しちゃいましょ」
ルーティはそう言って肩を落とした。
元々ルーティはこの依頼を『大木に魔力を込める腕試し!魔力を込める時は注意しないと大木に魔力を吸われすぎて腰が砕けちゃうぞ!(切り倒しても大丈夫です)』と聞いて受けたのだ。
今思えば明らかにおかしい依頼なのだが、ふにゃふにゃになったユニをもにゅもにゅしてぎゅーぎゅーしたい欲がルーティをめくらにしてしまったのだろう。
「あ、ちょっと待ってもらっていい?試したいことがあるんだけど」
ルーティが反省しているとユニが急にそんなことを言い始めた。
「試したいこと?新しい魔法でも試すの?」
ルーティはユニが数日置きに新しい魔法を手に入れていることも、その理由も聞いている。
だが今回は違った。
「うーん、それでも良いんだけどね、アイテムボックスが収納出来る大きさに限界があるか試してみたくて、あと生き物でも大丈夫かとか調べておきたいの」
「調べるって……い、生き物とかこんな大きさの物収納出来るアイテムボックスなんて聞いたことないわよ……」
「試すだけ試すだけ〜」
ユニは軽く魔物に手を触れアイテムボックスを使う。
サッ
手品で手の中のコインを消すように魔物を消すユニ
「「えええ……」」
ドン引きする2人
「あんた、人前でそんなことしてたら化け物扱いされるからやめておきなさいよ……」
「ま、魔族の王の私より化け物です……」
「ま、また化け物って言われた……」
いまだ自覚出来ていないユニなのであった。
思っていたより平日更新が辛いため、今後複数話更新はよっぽどモチベーションの高い日以外は出来ないと思います…ゴメンなさい
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