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命を狙われた王子、全てが嫌になり天使風の女冒険者になって百合つきながら無双の旅  作者: ゆりようさーびす
犬(魔王)を愛でてたら蛇神が進化していた編
20/25

天使、褐色天使を愛でる

「ダメよ、元いた場所に返してきなさい」

「そ、そんな〜……私ちゃんとお世話出来るよ〜……サラちゃんは耳も尻尾も隠せるから魔族ってバレないし……」

「あのねぇ……そんなパッと見ただの小さい女の子なんか連れてたら周りから白い目で見られるでしょうがっ!」


「……あっ!」

あの後ルーティのことを思い出し急いで見つけ、やっとの思いで機嫌を戻して貰ったのだが、サラのことを話すと冷静に指摘されて叱られた。


ちなみに冒険者のパーティーには大きく分けると2種類の人員がいる。

『戦闘』を行う者と、行わない者。


当然冒険者なのだから基本的には全員戦う者で構成されるのだが、中には当然例外もいる。


それが戦闘を行わない者である。

もちろんただの荷物持ちではない、そもそも冒険者はあまり荷物を持ち運ばないためそんな人員は必要ないのだ。


冒険者の連れる戦闘を行わない者は『足でまといにならない』『代えが効く』そして『容姿が優れている』

そう、所謂そっち系の奴隷である。


なのでユニとルーティというSランクの金持ち冒険者2人組が可愛い小さな女の子を連れているとなると……というやつだ。

ユニは別に周りになんと思われようが構わないものの、それの影響がルーティにも及ぶとなれば話は別だ。

サラのことを既に大事に感じているユニだが、ルーティのことはもっと大事なのである。


「うーーん…」

どうするべきかは当然ユニには理解出来ていたが、今抱き締めているこの温もりを手放せるかとなると体がピクリとも動かなくなる。


そうしてうんうん唸っているとここまでユニの膝の上できょとんとしているだけだったサラが口を開く。

「白い目で見られる理由はよくわかりませんが、ユニさんくらいの歳での女性であれば問題ないのですか?」

「え?ええ、そうね?」

こちらもよくわかってない様子で返事をするルーティ


ぴかーっ

その返事を聞くや否やサラの身体が真っ白の光の塊のような物になり、だんだん大きくなりユニと同じくらいにまでになった。


しゃびっ

だんだん光が薄まっていくと…自分と瓜二つのサラがそこにいた。


「「えええええ〜〜っ!?」」

「どやぁ……です!」


ユニの様子を見るにこのまま帰っても魔族にとって悪いようにはならないだろうなとわかってはいたが、サラは自分で旅について行くほうを選んだ。


それは、意外とユニの膝の上の居心地が良いと感じ始めていたが故の行動なのであった。



▲▲△△▼▼▽▽


〜ルーティ視点です〜



「おーよしよしよし」

「ふぅぁ……」

白髪に褐色肌のユニが銀髪に白い肌のユニに撫でられて気持ちよさそうな声を上げている。

もちろん褐色肌の方はサラだ、今は耳としっぽも出しておりそれらは嬉しそうにぶんぶん振られている。


「うぬぬぬ…」

そして私は一歩前を歩いて後ろから聞こえてくるそんな会話を背に面白くなさそうな声で唸る。


あれから一夜経ち、今は3人で昨日受けていた依頼を達成しに街道近くの森に来ていた。


そこで初見ではまずクリア出来ないあの街名物の癖のある依頼を使ってユニに仕返しし、なんやかんやでルーティに甘えられていつものようにイチャイチャする予定だったのだ。


だがそんなルーティの甘い思惑はサラによって完全に外されていた。


「かわいいなぁ……」

「ちょ、ちょっとあの、首は……わふ……」

「うーん?ほれほれほれ〜〜」


イチャイチャイチャイチャ

「チッ」

思わず後ろの2人には聞こえないように舌打ちしてしまう。

もちろんユニには嫌われたくないが、サラも悪い子には見えない。


モヤモヤとしたものを胸に抱えつつ、ルーティは目的地に向かって歩みを進めるのであった。


今日は多分もう1話更新するかどうかになると思います、間に合わなかったらゴメンなさい!



もしも続きが気になると思って頂けたら評価&ブックマークをどうかお願いします…

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