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16話 襲われている村を救ってみました2

 痛てててて……

 一刻を争う自体とはいえ、まさかお師匠様が空中から私を落とすとは思いませんでした。

 強者というのは得てして弱者の気持ちが分からないものなのでしょうか。

 確かにお師匠様は落ちても大丈夫だとは言っていましたが……

 それでもあんなに高い所から落ちたというのに、少し痛いという感想だけで済ませてしまえる今の私に驚愕の思いを隠せませんでした。

 私の体はどうなってしまったのでしょうか?

 お師匠様に出会ってから全身のコリが取れたように軽快に動かす事も出来ますし……

 あ、今はそんな事を考えている場合ではありませんでした!


 まずは今目の前にいるこの悪魔達を斬らなければなりません。


「あの、お姉ちゃんは……?」

「あ、私は銅級冒険者のエリスと言います。助けに来ました。」


 私は襲われている子供へ出来る限り安心させる様に笑顔を見せます。

 私が悪魔に勝てるという確信がある訳ではないのですが、お師匠様が私に見せてくれたよう、この子達にも――



「空から何か降ってきたと思ったら、ただの小娘じゃねえか、びびらせやがって。」


 子供達を襲おうとしていた悪魔は私が落下した音に気が付いて注意が私へと逸れました。

 もしかしたら、お師匠様はこれを狙っていたのかもしれません。

 流石ですお師匠様!


「えっと、どうしてここを襲っているのかでしょうか?」


「俺達は契約によって召喚されただけの悪魔だ。何も知らねえよ。それよりもお前が苦痛で顔を歪ませる所を見せてくれよ。お前が泣き喚いて絶望する所を見せてくれ!!」


 ……契約悪魔ということは、何者かが意図的にこの村を襲わせたという事ですかね。

 それ以上の事は聞き出せそうにありませんし、まあいいです。

 取り敢えず――


「今からあなたを殺します。」

「ああ? いい度胸してるな。掛かってこいよ。」


 お師匠様が戦っている所を見て、私も少しは成長しているという実感はあります。

 実戦経験はありませんが、それでもお師匠様の動きを少しだけ真似すれば、きっと勝てると思います。

 というより、私は負ける訳には行かないのです。

 こんな普通の悪魔なんかに負けてしまっては、お祖母様にもお師匠様にも合わせる顔がありませんから。

 

 腰に挿していた剣を抜刀し、そのまま構えへと移行して、一度落ち着いてから一撃で仕留めましょう。

 暴れられてはそこにいる子供にまで被害が及びかねませんから。


「何ゆっくりと構えてやがんだよ!!」


 そんな戯言を言いながら、悪魔は大きな爪を私に向けて振り下ろそうとしています。

 でも、それはとてもゆっくりで……えっと、この悪魔は何をやっているのでしょうか?

 こんな動きが止まっている様な相手では試し斬りにもならないのですけど……

 まあ、動く気が無いようでしたら仕方がありませんね。

 遠慮無く斬らせて貰います。


「【ピアシングスラスト】」


 剣をそのまま悪魔へと走らせて、心臓部をそのまま貫きました。


『スキル【影真似】を共有しました。』


 どうやらスキルを共有したようです。

 お師匠様がこの技を使った所は見た事がありませんでしたが、やはり色々な剣技が使えるのですね。流石です、お師匠様。


 それはさておき、本当にこれで終わりでいいのでしょうか……?

 呆気無さ過ぎて少しだけ不安になります。


「あの、ありがとうございました。」


 私が悪魔を殺した事を確認すると、二人の子供は安心したようで、私の所へと寄ってきました。

 この子達を安心させてあげたい所ですが、今は他に逃げている方達を助けにいくべき、ですよね。


「あ、いえいえ、当然の事をしただけです。それよりも他に逃げている人の情報を教えてくれませんか?」


「えっと、悪魔達は皆を村の中央に集めていました。逃げた皆も連れて行かれて、反抗した人は全員殺されて、それで、えっと……。助けにいってくれませんか……?」


 この子達の様子を見ても、どうやら悪魔達は全員を生かしたままにしているようですね。

 詰まるところ、もしかしたら生贄にでも使うつもりなのかもしれません。

 一刻も早く向かわなければなりません!


 でもその前に

「君達も二人だけだと危ないから私に付いて来てくれるませんか? 一緒に皆を助けに行きましょう。」


「えっと、私達が一緒にいると足手まといになるんじゃ?」


「大丈夫ですよ、安心してお姉ちゃんに付いて来ください。」


「わ、分かりました。えっと、よろしくおねがいします。」

「よろしくおねがいします。」


 さっきの戦いから少しだけ分かった事があります。

 もしかしたら、悪魔は物凄く弱い魔物なのかもしれません。

 ですから、きっと村の人は助けられると思います。

 少しだけ言い聞かせる様に、私はそう思いながら、二人の手を引いて村の中央へと向かっていきました。

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