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あの日から僕は  作者: 稲荷 里狐
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7話 クラスメイトと酒吞童子

 酒匂鈴さかわりんは僕のクラスメイトだ。 

 クラスでは何の本を読んでいるのかわからないが、常に読書をしている。

 大人しめな子だ。そして、今回はそのクラスメイトの話をしよう。

  

 私、酒匂鈴は夏休み中にとある妖怪に襲われました。

 その日は8月1日のお昼時でした。その時私は、ライトノベルを買いにアニメショップに行ってる最中でした。

 私が歩いていると、何かいい匂いがしました。その匂いを追って行くと、そこには小学生か中学生かわからない女の子が倒れていました。そして、いい匂いはその女の子から発していました。私が近づきさらにその匂いを嗅ぐと、急に意識が遠くなりました。その時、気付きました。その女の子は懐にひょうたんの形をした酒器を持っていたことに。

 私が目を覚ますと、目の前には心配そうに私の顔を覗き込む女の子がいました。

 どうやら、私が倒れた後この女の子が私を介抱してくれたみたいです。

 とりあえず、私は今の状況について聞きました。

 「あ、ありがとうございます。いきなりですいませんが、あなたは誰なんですか?」

 私がそう聞くと、女の子は笑顔でこう言いました。

 「儂は鬼じゃ。名は『酒吞童子しゅてんどうじ』と言う」

 その瞬間、私の脳はオーバーヒートした。

 「お、鬼ってあの鬼ですか?」

 「そうじゃが、それが?」

 「い、いえ。なんでもないです」

 「そう言えばお前さん大丈夫か?儂の酒を直に嗅いだそうじゃが。」

 私は一通り身体を見るが外傷はない。

 「はい。大丈夫です。あなたはなんでこんなところで倒れていたんですか?」

 「飲み過ぎじゃ?」

 「え?」

 「だ・か・ら!飲み過ぎたといったのじゃ!これ、結構恥ずかしいことなのじゃぞ」

 「すいません」

 「すいませんって、なんで昔から日本人はすぐ謝るのかな?何にも変わってない。儂を討とうとした、源頼光もボロボロにされたらすぐ謝るし、もう呆れたのじゃ」

 いきなり説教された。確かにそうだけど、ほかに何を言えばいいのかわからないし。

 私はその後しばらく酒吞童子の話に付き合った。ざっと3時間ぐらい。

 「あ、あの~」

 「ん?どうした?」

 「そろそろ帰りたいんですけど……」

 だんだんと日が落ちてきている。

 「そうじゃの。そろそろ逢魔が時じゃし、儂が送っててやるのじゃ」

 「え?でもその格好じゃあ、さすがにダメだと……」

 私はあえて触れてなかった服装に触れる。

 酒吞童子は大した服を着ていなかった。下はスカートを履いているが、上が着ている言っていいのかわらない。

 「大丈夫じゃよ。普通の人間には儂を見ることが出来ないから」

 「私がいろんな意味で終わりそうなので、このタオルで胸を隠します」

 酒吞童子が了承する前に私はバックからスポーツタオルを取り出し、胸を隠れるようにタオルを結ぶ。

 「なぁ、これなんか変な感じなんじゃが。乳頭がすれてむず痒いんじゃが」

 「あ、諦めてください。もし、諦めないなら私一人で帰りますよ」

 「わかった。諦める」

 この瞬間、妖怪が人間に負けを認めた。

 

 「あっ!もうここで大丈夫です。ありがとうございます」

 「えっ。そ、そうか」

 明らかに態度がおかしい。さっきの威勢はどうしたのだろうか?

 「どうしたの?」

 「い、いやなんでも無いのじゃ。ほれ、もうお前さんの家じゃろ?」

 「ウフフ」

 「な、何じゃ。いきなり笑ったりして。何がおかしい?」

 「童子ちゃん、実は帰るところが無いんでしょ?」

 童子ちゃんとはさっきそう呼べと言われた。

 「!?な、なぜそれを」

 「だって私の家に近づくごとに顔が暗くなってるから、もしかしてと思ったんだよ。よかったら、私と一緒に住まない?童子ちゃんがよかったらだけど」

 酒吞童子の反応は早かった。

 「住む!いや、住まわせてください」

 「わかった。これからよろしくね童子ちゃん」


 それから2日後、東雲蒼廃墟にて天邪鬼に襲われ従僕化

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