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あの日から僕は  作者: 稲荷 里狐
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4話 生還と驚愕

 僕は無数の妖怪たちから追いかけられている。

 今は、学校を抜け住宅街を走っている。

 僕を追いかけているのは謎の少年『七五三田印』が使役している妖怪『百鬼夜行』。

 百鬼夜行は日本の御伽噺に出てくる妖怪がまとまり、深夜に徘徊するというものだ。その軍勢がいま僕を殺そうと追いかけている。

 「何をしたらいいだ。住民がいないのと何か関係しているのか?だとしたら……いや、それは無理だ。だけど、もしや……」

 僕はもう一度学校に向かって違う道に走り出す。

 学校に行って、こいつらの主である七五三田を倒せば住民も戻り、妖怪も消えるだろう。多分だけど。

 走っているうちに学校が見えてきたと思ったら、前方に白い布を被った『あいつ』がいた。

 そしてあいつは僕に向かって走り出した。

 「まさか、挟み撃ちにするつもりか」

 だけど僕はあいつに向かってタックルを繰り出す。なんと見事にヒット。あいつは壁に向かって跳んでいった。

 「僕の攻撃は妖怪にも効くんだな。覚えておこう」

 僕は校門をくぐり最上階の教室に向かう。

 そして、最上階の教室には七五三田がいた。

 「七五三田!お前を倒す!」

 「やっと、気付いたんだね。来い!東雲蒼!」

 僕は右拳を固め、七五三田の頬に向かって殴る。

 七五三田は防御も何もせず突っ立っている。まるで、殴られるのが当然かのように。

 「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

 僕は全体重を右拳に集中させ七五三田の右頬を殴る。

 殴られた威力によって、七五三田は窓側の壁から黒板に飛んで行った。

 そして殴られた七五三田は泡を吹きながら失神していた。

 七五三田がダウンしたせいなのか、妖怪が追いかけるのをやめていた。そして、住民も戻ったのだろう声が聞こえる。

 僕は時計を見ると、まだ八時だった。僕からすれば3時間は経過していた。

 「まさか、結界内だと時間が進まないのか。よし、走って疲れたし帰るか」

 僕は失神している七五三田を教室に置いて家に帰った。家ではちゃんと天邪鬼がいた。

 「おかえり~どうしたの?帰って来て」

 「ちょっとあってな、シャワー浴びてくる」

 「いってらっしゃい」

 

 僕は従僕である蒼の記憶を見ていると、見たことのない少年が写っていた。

 「誰?この人」

 さらに、見ると驚くことが……

 「え!この人も妖怪を使うの!えっとー名前は……『百鬼夜行』だって!じゃあ、従僕はこれを倒してきたというの?……まずい、あのことをついに知られた。怒っているかな?」

 僕は従僕が眷属化の真実を知り驚くが、僕は知っている。

 3か月経っても奴隷化を回避する方法を。


僕はシャワーを浴び終え、自室に行く。

時計を見ると、8時25分だった。

「まだこんな時間か。天邪鬼、いるか?」

 「なんだい?」

 天邪鬼は壁を貫通して出てきた。

 「百鬼夜行って知ってる?」

 「知ってるよ。あいつらはそこら辺の妖怪より強いよ。少なくとも僕が知っている中では帰って来たのは、いない」

 「本当に?」

 「本当さ。君、さては今僕が逆さ言葉で話しているとでも思った?今日はそういう気分じゃなくてね」

 僕は衝撃を覚えた半面、驚愕した。だって、百鬼夜行と戦うって帰って来たのがいないって、僕が帰ってこれたのは奇跡と言っても過言ではない。そして、気分で逆さ言葉を使うことを止めていることに。

 「そう……なんだ。天邪鬼はこれからどうするんだ?」

 「今日は家でゴロゴロする予定だけど、一緒に遊ぶ?」

 「じゃあ、そうしようかな」

 僕は天邪鬼と一緒に階段を下りてリビングルームへ向かう。

 

 


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