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力試し

 別に支配地域を増やしたいわけでは無いが、俺は少し自分の力を試してみたい気持ちも出てきた。それは、エゴであるんだけど。それでも、そのエゴが、多くの脅威から、城を守るのであれば、それは俺の中では正義となる。オラクルベリル近隣の地域に、山岳近くまで軍を駐屯させている国がある。国名はアスカンテ。民に重税を敷いて、軍事力を増強しているという噂まで流れている。

 力を使うにはちょうどいいだろう。俺は、商会の仕事ついでにオラクルベリルにわたる事にした。商会については、数ヶ月開けても問題ないだろう。


――オラクルベリル山岳地帯


 本当に無謀な国だ。見張りは数人いたが、すぐに国境を渡る事ができた。たぶん定期的に、アスカンテの間者も通っているのだろう。全く骨の無い連中だ。その隙が、俺たちとの交渉材料となったのだが。


 そして、山岳地帯を進む。景色が開けるまでに5時間近くかかっただろうか、山の中では、多くの野生魔獣に襲われたが、ほとんど蹴りで戦闘不能にさせた。マナを使用して走って5時間だから、通常は丸一日掛かるんじゃなかろうか。

 山岳地帯終了後は、平原を駆け抜ける。どこに、駐屯地があるんだろうか。まずは、人のいる地域に潜入しよう。超高速で走行していると、風がいたく感じる。空気の壁は厚く、俺の前に立ちはだかる。でも、気持ちのいいものだ。

 すると、全長2メートルほどのハイエナの群れが、前を走っていた。物凄い速度だが、俺もそれに負けていな。時速はゆうに130キロメートルは超えているんじゃないのか。並走から追い越した。


「お先に!」

 

 程なくして魔眼が輝く。核、いや魂の塊が一つの地域に集中していた。森の手前か。川が近くにあり、駐屯しやすい場所だ。【購入特権】で《迷宮のオーブ》を購入。1千万Gもしたぜ。しかし、このオーブは、気絶したものを、彼らの拠点(家)に帰す。当然、転移の際には、所有品の一部を落とす。昔の魔族が、訓練やダンジョンに好んで使った魔導具だ。ダンジョンとて、挑んでくる人が減れば、潤わない。殺さずされど、彼らの私財を奪うのに、これは適している。そして、半径3キロにわたるこれは、不殺で多くの権利を主張できる。商人である俺にはぴったりだ。決して殺すためにここに来たわけでは無い。


 百万Gを使用して、[狼の魔核][強化+20]を購入する。100個ほどの魔核を地面にばら撒く。さて、寝て待つとしよう。久しぶりに、ポルセの夢を見た。裸エプロン姿の彼女は、恥ずかしそうに、こう答えた。


「良く一日頑張った。お風呂にするか?御飯にするか?そ・れ・と・も、我か?」


甘い香りが、躰全体に漂っている。もちろん俺は、「お前だ!」と言って、抱き付く。

ボルセも恥ずかしそうに、「全く世話のかかる男だな」と言いながらペロペロしてくる。ペロペロは、ずっと続いた。悪くないがくすぐったく感じた所で、俺が何に舐められているのか、その正解にたどり着いてしまった。最後まで夢であればよかったのに……。


「はっ!」


 目が覚めたら、やけに顔の周りがべとべとしている。


グルルルル


 巨大な狼が100頭俺の周りに群がっている。声が怖いが、人懐っこく鼻を押し付けたり、舐めてきたリしている。

 何でだっ!ああ、魔核のせいか。魔眼で、駐屯地の様子を確認し、3方向から攻めることにした。川以外の方向からだ。そして、先制攻撃は俺の奇襲からだ。川に潜り込んで、俺一人川から攻め込む。防水用のマスクを購入して、自分の顔を隠す。


 近くで様子を見ると、兵たちはリラックスしている。敵など攻め込まれるわけがないと鷹をくくっているのだ。それによく見ると、煌びやかな鎧が多い。たぶん安全地域として、貴族出身の兵が多いのだろう。兵役経験者でないと、高い位が得られないからだ。しかし、有力貴族は、危険地帯では無く安全地帯での任務が多いようだ。


 川に水を汲みに来た2名の兵士を、ソバットとハイキックを駆使して、気絶させる。倒れた瞬間に、彼らはすぐ転移してしまう。所持品を複数落として。

 足を踏ん張り、蹴りだす。そして、駐屯地の一番人が集まる場所へ、飛び蹴りをかます。5名ほどの兵士を吹き飛ばして、彼らが、空中に舞い上がった瞬間に、幾つもの足技で、打撃を加える。それにより、一瞬で周りに緊張感が走った。


「「「敵襲!」」」


 瞬く間に、16名ほどの襲撃に成功した。彼らは体を吹き飛ばされて、仲間や周りのテント、木などに激突して、気絶する。程なくして《迷宮のオーブ》の力で、転移させられる。


「その(あぎと)で食い散らかせ!」


 俺のその掛け声とともに、大型の狼が、3方から駐屯地を襲った。兵士たちは混乱した。彼らは、ある程度マナの加護で身を守っているが、ダメージが蓄積していくと、血を流して傷つく者がでるが、死亡はせずに強制的に転移させられる。狼たちは奮闘するが、人数の差と、強さの差を考えると、そうは持たないだろう。

 攻撃を続けながら、新たに魔核を購入する。[スライムの魔核][強化+50][マナドレイン][焔の息][錬成短縮50%]しめて、60万G。金が吹っ飛んでいくぜ。気が付かれないように、テントの中に放り込んでおいた。


 そして、掻き乱しつつ、俺も休憩がてら、狼たちに任せて一時的に後退する。後退がてらドロップ品をお金に換える。300万Gぐらいにはなっている。武具はどの時代でも高いのだ。ポーションは拝借して、その場で飲んだ。あまり質は良くないので、一定時間置かないと、中毒症状がでてしまう。爆風札などの攻撃魔具は、逃げる段階で使用しておいた。


 使役している狼の総数が、半分を切ったころ。駐屯地では、新な悲鳴が聞こえるようになった。現地から強烈な赤の光がほとばしる。【焔の息】により、多くの兵士が巻き込まれているのだ。ちなみに、仲間にもあたるので、多少は狼も巻き込まれた。


 さて、俺も戦闘に復帰しようかな。そう考えながら、100万Gを使い。第二軍の為の魔核をばら撒いておいた。復帰後は、スライムを守る為、魔術を使用する兵士を中心に、踵落としや、中段蹴りなどで、気絶させる。スライムは固有能力で、物理攻撃による耐性は非常に高いが、魔術に対する耐性は、非常に弱い。狼たちには悪いが、戦略上メインはやはりスライムさんだからな。【焔の息】を回避しつつ、蹴り技を繰り広げる。


 腐っても軍隊。さすがのスライムさんも、ダメージが蓄積しているようだ。今ここにいる狼は、20頭を切ってしまった。数にはかなわないか。しばらくして、狼さんはすべてマナへかえっていった。

ちょっと文章がくどくなってしまった。反省。

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