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共通Ⅱ-C 次男と三男と四男①
「漆乃兄様のお見舞いへ行きましょう」
私は兄二人に入院中の四番目の兄のお見舞いを切り出す。
「いや、まだ双羽が帰ってないわけなんだが」
三男の霰伍はそちらが先だろうという。
「オレは屋敷で留守だから、双羽がきてから陽紫町、霰伍と禄汰を連れていきな」
長兄の壱之は自分だけ行かない宣言をする。
「姉さん、僕は校外学習で一週間のサバイバルなんです」
「なら双羽兄さんと霰伍兄さんだけで行くことになるわね」
「こうなったら絶対に双羽だけでも連行する」
「あのー」
「いたのか普通」
「なんでそんなに病弱な四男さんに会いに行くの嫌なんですか?」
「あーあいつめんどくさいんだ」
「どんなふうに?」
「あの葉が落ちたら死ぬんだね……とか、まあ会えばわかるよ」
「いや、やめときます」