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“道標その4”



『儚い願い』



いつも冗談ばかり言ってたけれど

いつもごまかしてばかりだったけれど



いつまでもこの時間が

続けばいいと願っていたの

このまま時間が

本当に止まるなら



あなたと今のままの

距離でいいから

そばにいられるなら

それでいいから



いつもそう思ってたなんてあなたが気付く筈もない

いつも冗談ばかり言ってたから



失うことだけが

こわかったから



『切符』


切符をにぎりしめ

まだ電車も来ていないのに急いで階段上っていく

一歩ずつあなたに近付いていく



流れていく景色が

とてもゆっくり感じた

早く 早く

私をはこんで

白一面の中

待ってるあのひとのもとへ一瞬でも早く

恋焦がれたあのひとのもとへ



指折り数えた夜

外は雪

曇り硝子は吐息のせい

「何もいらない」

あと一枚残る切符

手に取りたくない切符

私からあなたを

遠ざけるもの



でも本当はあなたの方が

寂しいはずだったね

ごめんね



『サービスエリア』


眼を疑った

見間違えるはずがない

……あのひと


こんな所で

懐かしい彼を


隣には知らない女性(ひと)

彼女(あのこ)とは

別れたのね


あんなにつらい別れを

私に強いたのに

今隣には知らない女性(ひと)

そして私の隣にも

あの人の知らないあなた

あの人を知らないあなた

手をつなぐ


それならば

あなたももう

「知らない人」

すれ違っても振り返らないサービスエリア

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