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“深海その2”


 『苔はえる舌』


「あなたに逢いたい」

その一言が

どうしても言えない


困るあなたを

知りたくない


こうしてる間も

とまることなく

あなたを募らせてるわたし


それが気に入らない


あなたに

聞かせたいのは


澄みゆく空の様な

暖かい暖炉の様な

癒される波の様な


そんな言葉なのに


無意識に

増殖するエゴ

時にあなたを

傷つけたいほどの

無恥な想い


わたしが

抱えるこの恋慕を


あなたがわたしに

思ってくれるなら


傷つくのも怖くないのに


わたしだけが

この舌に

苔を生やしている事が

たやすく

想像できてしまう


「逢いたい」

「あなたに逢いたい」


きっと言えない

この先も



 『永遠の未来』


本当は

信じたいんだけど


このままふたりが

どこまでも

同じ舟に

流されてゆくと


あなたの手

絡める指

この温かみだけは

失いたくない


知ってるよ

゛いつか゛なんて日は

決して来ない


永遠に

憧れだけの未来


あなたが今

私に向けてる

その微笑み


遠くで

群れゆく沢山の羊

眩しい空


気付いてるよ

知らないふりしてたの

この舟には

埋められない亀裂が


私が

本当に欲しいものは

手にできない


それは運命(さだめ)

永遠に

絵空事の

憧れの果ての未来


知ってるよ

゛いつか゛なんて日は

決して来ない


あなたにも

私にも

決して来やしない


本当は

信じたいんだけど


この舟が

決して

沈まないことも


あなたが

私だけを

愛してくれることも

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