“道標その2”
『満天星』
この星空は
あなたの空まで続いてる
あの満天の星空の下
凍てついたアスファルトの道路を
ふたり 歩いたね
あの頃はいつか来る別れなんて
予感することさえ忘れていた
今 こうして
ひとりで空を見上げてるとすべてが嘘のような気がして
あなたと出会えて
過ごせた季節を
今さらのように数えた
うたかたのように
浮かんでは消えて
だけど 信じてるよ
この先ずっと会えなくても
もう二度と声さえ聞けなくても
ふたりの心はひとつだと
この星空のように
どこまでいっても
ふたりの心はひとつのままでいる
つないだ手のあたたかささえ 忘れないように
『春の雨』
いつまでも いつまでたっても
同じところを
行ったりきたりしている自分が
また小さく見えます
全てをあずけたつもりでいても
心のどこかでくらべているみたい
二人の未来が
気掛かりです
こんなに好きでいるのに
こうして窓を曇らせる雨を見ていると
もう一度昔に戻れるような気がして
あなたに言えない思い出の中に いつのまにか
立っている事もあります
あの春の雨の夜を 私は
永遠に忘れられないでしょう
あの夏の匂いの日々をどうしても
消すことはできません
そしてその日々たちが
あなたと過ごした時よりも倖せで愛しかった事が
今は少し 悲しいです
『ふたり』
多分 ふたりには
ふたりだけの
空間があるのよね
わからなかった事を
気付くようになった
ほかの人がはいると
居心地が悪いみたい
素直になりたいのは
あなたに対してだけ
お願い
泣いてる時は泣かしておいて
あなたを責めたりしない
でも 涙だけでしか
表せない感情もあるのよ
あなたが無口でいたい時はただ黙ってそばにいるよ
言葉などかわさなくても
寄り添えあえれば
ふたりは解りあえるはず
そんな都合のいいことを
あなたの寝顔見ながら
考えてる私
偶然だとしても、必然だとしても、私の詩を読んでいただいたすべてのかたの倖せを祈ります。本当にありがとうございました 樹歩