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“恋心その8”


 『夏の出来事』


何気に見上げると

高い空に小さな光り

あれは飛行機


何故だろう

一瞬

あなたを思わせた

手の届く事のない恋人


夜の道路(みち)

信号の明かり

アスファルトを照らす

私の心にも


あの夏の日

あれは本当の事なのに

今にしてみれば


事実もまぼろしも

紙一重だね


ただの“ある日”

ただの“ある事”

ただそこに

夏があっただけ



 『枯山水』


無くしたものは

ないはずなのに


あなたへの想いは

私の中で

永遠に色褪せない


いつかの日は

いづれ忘れ去られる


今こうして

目の前の河

水の流れがあった事が

嘘のよう


私の想いは

多分泉水に満たされ

いつかの夜

溢れていたはず


今こうして

雫の欠片も見当たらない

枯山水にも


本当はどうしたいの?

本当の声を探す


目の前の

水の無い河に

“私は何処へ?”

“何処へ行けば辿り着けるの?”


なくしたものは

何もないはずだった

無いはずのものを

いつの間にか探して


目の前の

枯れた河に

問い掛ける私


“あの日々は事実なの?”“あなたの中で本当にあった事なの?”


どこまで続く喪失

どこまでも追う恋慕


私の想いは

色褪せる事さえ出来ずに


目の前の

水の無い河


あてもなくさ迷う

“心は何処へ?”

“あなたの心は何処まで?”


何も無い喪失を抱え

枯山水は

ただそこにある


いつまで

何処まで

流れの無い河

私と同じ

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