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“道標その9”


『放物線』


誰もいない交差点

早朝

私だけが曲がる


描いた放物線は

あの日の

飛行機雲のよう


決めたの

この街を出る


車の窓には

たくさんの水滴

まるで花模様


だからもう

泣かない


この放物線が

いつかの虹になるまで


あなたから離れ

この街を出る



『予感トレーニング』



毎夜毎夜

あなたから

「ゴメン」と言われるのを

頭のなか繰り返す


いつか

その日がきても

慣れていられるように


毎夜毎夜

あなたへの

「許して」と嘆くのを

頭のなか繰り返す


いつか

その日がきても

心揺らがないように


こんなにこんなに

つらい思いを連ねても

あなたを

あなたを


言えないわ

聞けないわ

言い訳しないけど

聞き分けも悪い


「さよなら」だけは

どうしても


『無恥』


夕焼けのひかりが痛い

太陽より真っすぐ見れない


あらゆるものに

たくさんのひとに

懺悔があって


私は立ち尽くす

許せなかった自分が

あまりに小さくて


足もとから伸びる影が

呪縛から解放しない


鞭をうつ

無知な自分

もっと無恥な自分に


ああ だけど

やさしかった

やさしかった

あの人もあの人も

…あなたも


いつか

この救われない懺悔は

海より深い祈りになるのだろうか


心に絶え間無く

鞭をうつ

無知の残酷

もっと酷い無恥の哀しさ


夕焼けの眩しさが痛い

届かない想い

いっそ

最初から不在(なか)ったことにできるなら

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