“手紙その3”
『最期の抱擁』
あの時
本当の永遠を見た
2度と
届かないと思った
あなたの肌
あなたの匂い
ああ
あんなに幸せそうな
あなたを見たのは
あの時が
初めてだったかも
昔もそんな表情
みせてくれたのかな
私だけが
愛を紡いだのではなかった
どうかどうか
あなたがこの先も
勇気ある道を
歩めるように
あなたにあげる
私の永遠を
最期の抱擁
言葉にならない想い
涙だけでは足りない
刻めない温もり
あの日々だけが
ふたりだけのもの
だから
あなたに捧げる
私の永遠を
最期の抱擁
どうかあなたに
勇気を与え続けるように
『親愛なるひとへ』
どうして
離れてしまったのか
どうして
耐え切れなかったのか
すべてを
幼さのせいにできたら
楽なのにね
お互いを
あんなに必要として
ひたむきに
手をつないでいたのに
なぜ
ほかのひとを愛しても
あなたの影を
人込みに探すのか
なぜ
ほかのひとを抱いていても私のはだを
胸に刻もうとするのか
ああ 忘れられない
多分ふたりで
土の中まで背負ってゆく
この先 命尽きるまで
ふたり逢えなくても
…親愛なるあなたと
同じ気持ちで生きてゆく
約束もいらない
言葉もいらない
温もりもいらない
あの日々だけを
連れていくの
いつか
輪廻した先で
あなたに出会うまで
果てしなく
親愛なるあなたへ