“星屑その4”
『捕われ』
どこにいても
何をしていても
あなたがいる
あなたを意識してしまう
そういう自分を
可愛いと思うには
もはや似合わない私
もう誰かに
振り回されたくない
自分の判断を
信じる自分になりたい
あなたの声が聞こえる
遠い耳鳴りのよう
お願いよ
不在で私を虐めないで
あなたの声が聞こえなかった
鼓動が雷鳴のよう
捕われて
どうしたらこの恋から
解放されるのだろう
どこを見ても
どこをさがしても
答えは見つからない
自分が空回り
それが恋の醍醐味と
他人には言ってた
途方にくれて
想いの行き場を求め
あなたの声がききたい
あなたの私を呼ぶ声を
捕われて
こんな恋を歩く私を
いつか
思い出し笑いできたら
そして
そんな私を
私が可愛いと思えたら
『水面その2』
今まで
静という音さえなかった
この泉に
あなたが投げた言葉が
小石となり
水面をつくった
水面がおさまり
あたりに静寂が戻っても
泉の底の小石は
永遠に沈んだまま
いつか
溶けてしまえたらいいね
跡形もなく
『夜長の過ごし方』
夜中に飲むお茶は
独りの方がいい
夜長にすごすのは
自分と時間と月明かり
ひたすら
本当の本心を探す
心許なく
たよりなくとも
脆い決心に鉛をかため
月見上げ
翼を広げ
目指すことも忘れ
遠くへ
遠くへ
遠くへ
ただひたすら
遠くへ
遠くへ
遠くへ