“道標その1”
『帰り道』
制服のポケットに手をつっこんで
背中を丸めて歩く姿が
とても小さく見えます
何度も何度も夢をみました1度でいいから
並んで歩いてみたくて
そのポケットに
私の手もつっこんでみたくて
あなたはいつも
優しくしてくれたけど
あなたはとても
恥ずかしがりやで
言えなかったの
「並んで歩きたい」
あなたを1番理解ってる
私でいたかったから
あなたの踏んだ落ち葉を
私も踏んだ帰り道
『箒草』
毎日通る路地
今年も紅く染まった箒草
去年はとなりにあなたがいて
一緒に眺めてくれたけど
うろこ雲 朝焼け 夕暮れ
秋のたより
朝 眼が覚めると手が寒い
あなたがいない
あなたがいない
早く帰ってきて
ひとりは淋しい
『糧』
誰かの為の人生などありはしない
誰かに捧げる一生などありえない
すべて自己満足と言い訳にすぎない
でも それが生きる糧になる
失敗してもいい
言葉など要らない
急ぐことはない
あなたの人生だからね
私はただ その備品でいたいだけ
今 思えば
私の人生にとって
あなたに出逢えた事は奇跡
そしてふたりで生きることを決めたことは
偶然と奇跡の果て
でも だからこそ 大切
完全な人生などありはしない
一度は他人に憎まれている
一度は自分を嫌いになっている
でも また歩き出している自分を見つけた時
それが 生きる 糧となる