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“星屑その3”

『道の途中で』



君を途中まで送った

家まで行ったら

今度は君が

僕を送ると言い出すから


また明日も会えるよ

僕達はずっと一緒だよ

何度そう言っても

「そうかなぁ」

と俯いた


夢の中でも

君を抱きしめたよ

夢の中でも

夢心地な君の肌


こんな風に本当は

道の途中で別れたくない

君がこのまま

いなくなったらどうしよう


不安なのはお互い同じ

愛は不安定が当たり前

君のせいじゃない

僕のせいじゃないように


だから明日こそ

君を家まで送らせて

そしていつか

「ふたりの家に帰ろう」

そう言わせて

必ず言うから

僕からきっと



『要らない脚』



何故海は深いのか

何故空は広いのか

何故海は空は碧いのか

そんなのはどうでもいい


この森を奥まで

迷い続けるくらい奥まで

空を仰ぎ叫んでも

誰の耳にも届かない奥まで


私を招くのは

思念だけの面影

少しずつ私を飲み込み

やがて前後不覚にする


空を忘れ海を置き去りに

交わることなく

私は空に浮かぶ

私は海に沈む


歩く脚は血にまみれ

くぼんだ瞳は光を見ない

さまよいさまよい

もはやさまよっている事も忘れる

すべて朽ち果てる


かすかにあなたの

遠い笑顔だけ浮かぶ

手が届く事のなかった

愛おしいひと

今行くからね

すぐ行くからね


もはや用のない脚を

一歩一歩行く

この暗い森の奥にある

私の寝床


やっと行きつけるのだ

私の空

私の海

もうこの脚も棄てよう

私でさえなくなるのだから

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