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“刹那その1”

『刹那の隙間』



ずっと逢わなかった

偶然さえ憎んだ

存在をも忘れたかった

あなただけは…


毎日思い出しても

色褪せなかった想い

消せない恋慕

顔を見なくても

声を聞かなくても

鮮明なあなたの歩く姿


努力という言葉じゃ

足りないくらいあなたを

私の胸の奥に奥に奥に

葬ろうとしてたわ


7年ぶりに見る

真正面からのあなた

その手に触れたくて

でも一瞬でも

あなたの温度を知ったら

…泣き出してしまうよ


これまで積み上げてきた

あきらめの積木

2度と恋はしないと誓ったはず

もしかしたら

「あなた以外には」

恋はしない事だったの?


…認めたくない

この無抵抗な感情を

あなたが私を引き寄せる

…引き寄せた瞬間

時間(とき)がとまった


もう戻れない

抱きしめられて

呼吸(いき)もとまった

どんなにくっついていてもまだ距離があるみたい

刹那の空気も通れないほど私を抱きしめて


気が遠くなって

あんなに辛かった夜さえ

この瞬間の為だったなんてこじつけをしてる


もう嘘はつけない

騙し切れなかった心

この手を欲しかったの

その胸で泣きたかったの


いつまで

こうしていられるか

わからないね

でも今だけは


あなたの匂いを

頬に指に髪に唇に

染み込ませてください

いつかあなたを見送る時

淋しくないように


わたしが人生(みち)

顧みた時

あなたと私の間に

刹那の隙間もなかった瞬間があったと

確かにあったと

…信じられるように


この先一生

あなたに逢えなくても

この最期の恋を

抱き続けて歩いていくよ


どんなに苦しくても

あなたに出逢えたことを

祈りながら歩いていくよ


どうか

永遠の果てまで

刹那の隙間を

この恋慕で埋め続けて

樹歩です。この“刹那”はかなり長い詩になってます。メッセージ性の強いものにしたかったのでなるべく抽象的な表現を避けました。 この場をお借りして、いつも私の作品を読んで下さってる皆さんに御礼申し上げますm(__)mよかったらメッセージも送ってください。出来る限り誠実に返事をお返ししたいと思います。ありがとうございました。

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