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talking lovers. Ⅰ
>木春6歳編
「木春は大きくなったらなりたいものあるのか?」
「う~ん、およめさんかな」
「おっ、父ちゃんのお嫁さんになるか?」
「なんないよ。かおるくんだったらけっこんしてもいいかな」
「木春~、父ちゃんとは結婚してくんないの?」
「しないよぉ。だってママがいるでしょ?」
「あ、ああ、そうだよね。ママがね」
……何だろう、当たり前のことなのにこの淋しさは……?
「あなた、何の話してるの?」
「おい、『かおる』って誰だ……?」
「同じクラスの子だって。面白くて優しいんだって!」
「ねー!」
「ねー!」
「おのれいつの間に……!そうかぁ~、じゃあ結婚したくなったら、その前に父ちゃんにちゃんと紹介しろよ」
「しょうかい?」
「遊びに連れてきなさいってこと。え~そういうのって会いたくないんじゃないの?」
「そんなことないぞ、俺は器の広い男だからな。……ただ、少なくとも父ちゃんを超えるいい男じゃないとな」
「そうしたら結婚認めるの?」
「そしたら父ちゃん、快く言ってやるよ」
「……貴様に娘はやらん!!!(ドンッ)」