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solaの風景  作者: 安楽樹
14/17

rainy days.

【rainy days.】



雨の季節になった。


忘れていたポストを確かめるように、溜まっていた文章を清書する。

他の家族は皆、お昼寝中だ。

雨の音を子守唄に、静かに寝息を立てている。


たまにはこうして、一人の時間を過ごすのもいい。


……ふと目に留めたネットの短編小説に目を通す。

そこに綴られていたのは、憧れと現実の入り混じった田舎での生活の情景。


その中で、一つの詩に目を奪われる。






夢見たものは ひとつの愛

ねがつたものは ひとつの幸福

それらはすべて ここに ある と






当然ながら、田舎での暮らしは思った通りの事ばかりではない。

……いや、思うように行くことの方が少ない。


ふと、知人の夫婦のことを思い出す。


望みもしないのに、オール電化住宅に住むことになってしまった二人。

こんなつもりじゃなかったのにね、とあははと笑っていた。


自動お湯はりのお湯の量がいつもよりも多すぎて、結局手動でお湯を張る二人。

基本電力量が大きすぎて、下げなきゃね、と笑う二人。

貧乏なのに、こんなにのんびりしてていいのかな、と二人であははと笑っていた。

俺の目には、とても眩しく映る。


……俺たちも、いつまでもあはは、と笑っていられるだろうか。

畑と子育てで忙しくて、それ所ではない時も増えてきた。

でも願わくば、じいさんばあさんになって死ぬその時まで、みんなであはは、と笑っていたい。


窓の外を見る。


きっとまたこの雨雲が去れば、そう思えるようになるのではないだろうか。

……そう、ここなのだ。


堆肥の臭いがきつくとも、

冬の寒さが地獄でも、

機械が農薬をバンバン撒き散らしていても、きっとここなのだ。


それらは全て、ここにある。


引用/『夢見たものは・・・』蒲公英様

http://ncode.syosetu.com/n8120bf/


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