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おさがり
♫
頭が痛い。
でもそんなことは言っちゃいけない。
そうしたら、わかっちゃうから。
灰音と私との、埋まりきらない差が。
クラス中の人が、おはようございますの一言を揃って言う。
まるで、ロボットみたいに。
その中には、私とよく似た声もあった。
私の耳には、灰音の声だけがクリアに聞こえる。
嫌いなはずの灰音の声だけが、判別できてしまう。
双子って面倒だな、と思った。
自分と同じ顔で、同じ声で。
そして、双子として見られる。
そして何より、ふたりでひとつとして見られる。
運動も、成績も、態度も。
何もかも、比べられる。
たった1点の差で、クラスメイトからも、先生からも、親からも。
みんなから、拍手を受けるのは灰音。
私は、いつも2番目。
それが、灰音のおさがりみたいで、どうしようもなく嫌だった。
そんな私の思いはひとつも知らないままに、朝のホームルームは進んでいた。




