【閑話休題】 ~直人と圭と海斗 帰り道にて~
「そういや海斗、お前最近、生徒会に顔を出してなくないか? 俺達が帰る時間と被ってんじゃん。前まではちょくちょく遅くまで学校に残ってたろ?」
「前の草むしりの一件でな、他の生徒会役員から半月の出禁をくらった。自分たちも力になりたかったのに自分勝手だ、と。顔も見たくないから当分来るな、と、そう言われた」
「あらら。だから海斗の頭上だけ曇り空なんだね。今にもそこだけ雨が降り出しそう」
「なあ、直人。俺はそんなに悪いことをしたのか? 数人から怒声を浴びせられるほどに悪いことをしたのか!? 俺は、皆に迷惑をかけたくないから一人でやったんだぞ!」
「どうどう。まったく、生徒会長様は頭が悪いのか良いのか分かんねぇな」
「まったくもって同意」
「どういうことだ?」
「前にも言ったでしょ? 友達には、迷惑をかけるもんだって」
「もしも、お前じゃくて別の生徒会の奴が、今回と同じように一人で草むしりをするって言い出したらお前、どうするよ?」
「そんなもの、断固として許さん! 無理矢理にでも、俺は協力するぞ……あ」
「ほらねー、会長。皆も同じ気持ちだったんだよ。なのに、会長権限だとか言って一人でやっちゃうから。しかも、結果的に俺達が手伝っちゃったことが余計に腹立ったんだろうねぇ」
「確かに。自分たちは頼ってくれないのに、他の奴は頼るのかよ、ってなるよなー」
「ああー! そうか、そうだったのか。いかん、こうしちゃおれん、今すぐ戻って皆に何時も頼りにしていることを伝えねば!」
「大丈夫大丈夫、心配ご無用だぜ生徒会長」
「何を言う! 俺は俺一人では何も出来ん。皆に見離される前に俺が愚かだったと謝罪を――」
「ほらほら、スマホ」
「――ん? スマホの画面がどうした? 悪いが圭、今はお前のスマホを眺めている暇は――な!?」
「副会長のモッ君から相談受けててな。会長にとって僕たちは頼りにならないんですかね、ってな。そんで、これは直人の提案、というか策?」
「それとなく海斗に生徒会の話をしてみたらって。きっと、赤裸々に喋ってくれるだろうなぁって思ってね。だから、圭に通話を繋げておくようにお願いしてたんだ」
「相手は画面に出ている通りモッ君。モッ君のスマホは現在、大絶賛スピーカー中だぜ!」
「当然、生徒会の皆に丸聞こえ!」
「お前ら―!!」
「おわ、暴れ出しやがった! というわけだ、モッ君! だから、気にしなくて大丈夫。このバカタレに出禁を解除してやってくれ。お? いい? サンキュー。良かったな、海斗」
「ぐぬぬ。赤っ恥をかかせおって。貴様ら二人、それと元中、貴様もだ! 生徒会長の権限で反省文を書かせてやる!」
「反省します。実は、生徒会長が無駄に肩を落として病んでいるのを見て、ちょっと面白かったです」
「あのまま前転でもすんのかと思ったよな。どんだけ前のめりになってんだよって」
「笑うな! 元中! スマホ越しに貴様の笑い声も聞こえてるぞ!」
「……え? あれ、嘘、すごい面白い。海斗のこれまでが、全て吹っ飛んだ」
「おお。笑っちゃいけないだろうから堪えてるが、すげー面白いな。海斗の情けない姿なんて、どうもよくなっちまったわ」
「お前ら―!!」
「「モッ君の笑い方って、モッモッモッ、なんだぁ……」




