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43 信仰を集める愚者の最期 (3)

「"神殺しの剣"ねぇ、大層な名前じゃないか。でもな」


コウヘイの躯が蒼い炎に包まれると、あっという間に無くなった腕が元に戻っていた。

ほんの数十秒前の状態と何一つ変わらず。


「神様ってのに常識は通用しないんだぜ? 知ってたかジジィ」

「なっ! くそ。これならどうだ! 神封じの数珠!」


法王は手首に付けていた数珠を上へ投げると、数珠は巨大化してコウヘイを拘束する。

殺せないなら封じてしまえ。という事なのだろう、そして


「はぁぁぁ!」


法王は果敢にも神殺しの剣を振りかぶって直接コウヘイに一撃を入れようと距離を詰める、確かに動きを封じられたコウヘイには有効だろう、マリアは聖人殺しの聖具のせいで行動不能だし、シャーリーは論外ときた。


ドスッ。


確かにコウヘイの体を斬った。

そう、斬ったのだが…人間皆が体内に流しているべきものが出ない。


「こういうのはマジ勘弁して欲しいな~ 痛みはちゃんと伝わるからさ……ハッ!」


バリーン! 


むなしく数珠は砕け散り、コウヘイは迂闊にも近付いてきた法王の首を掴み、法王の足は地を離れた。


「うぐぐっ、貴様…何をしているのか」

「分かってるさ。で、盗んだ物はどこにあるんだ?」

「言うものか、ペッ」


法王はコウヘイの頬に唾を吐いた。

そしてコウヘイの額には青筋がくっきりと浮かび上がる。


「もう聞くのはやめだ。教えて貰うぞ"精神干渉マインド・ジャック!"」


……。


「なるほど、バカバカしい大望をお持ちの事で…早くやんねぇーとヤバイな。シャーリーとマリアはここで待ってろ」


『範囲指定…絶対守護領域 常時展開』


シャーリーとマリアの周りに絶対守護領域を展開してコウヘイは法王の首を持ったまま奥へと足を進め、シャーリーとマリアはその場でコウヘイを見送る事にした。



―地下・儀式部屋―



「さて、これはどうやったら壊せるんだろうか」


コウヘイの眼前には幾重にも展開されている魔法陣と、金髪で裸で背中から人類長年の夢であった空を飛ぶ為のフサフサが付いてる子供?らしき子らが十数人空を舞っていた。


「どう見ても……人外だよなぁ。攻撃したら祟られそうだし、どうすりゃー いいんだよ」


『パンパカパ~ン、神様久々の登場だよ~』


 ホント、久しぶりですね。


『まぁね~ ところであの子らの対処で困ってるようだけど、手を貸してあげましょうか?」


 ……対価は?


ニコッ 『そうだな~ シャーリーとユリアにキスね♪』


 それはアレか、俺に死ねと!?

 マリアとアリスは人類最凶なんですよ!?


『だ・か・ら(*^_^*) あー あとね。君じゃこの世界の天使には指一本出せないから』


 えっ、マジで?


『うん。今からそうした』


(コイツ、自分の欲望の為に世界のルール改竄しやがったのか!)


 ―――りました。


『な・に・か・な?』


 分かりました!


『よろしい、さぁ帰るよぉ~』


 【【【は~い】】】


「へっ?」


【いや~ 今回の遠足はなかなかだったね~】

【たまには下界もいいもんだよ~】

【アハハハ】


 ハメられた!!


その時だった。

意識を失っているはずの法王が何の前触れもなく起き上ったのは。


「おいおい、今度は邪神のご登場か…俺本来の仕事到来ってか」


法王の眼は白目の部分は黒く、青だった部分は血のように紅く輝いていた。


〈Gyaaaaaaaaaaaa!!〉

―予告―

   第44話 信仰を集める愚者の最期(4)


法王の中に住んでいた邪神は神様の神気に当てられて目を覚まし、コウヘイは神様から頼まれた仕事へ挑む。

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