24 エリーゼの暴動(鎮圧編2)
短いです。
そして描写がぁぁ。
難しいですね。今更だけど
―マリア―
何者なのだろうか、今私と対峙している者は。
人間でもあり、悪魔でもある。そんな歪な存在、聖人の私ですら魔力の質を見極めきれない。
こんな事はもう二度とないだろうと思っていたというのに、まさかアイツの様な存在がまだいたのか。
いや、それにしては小さい。
まだアイツの方が強大だ。
コウヘイの方が。
「貴様、何者だ?」
「フン、聖人ニ名乗ル名ハ持チ合ワセテオラン」
「そうか、なら聞く必要はないなっ!」
斬撃を飛ばしてみるが、片手で防がれたか。
強い、だがやはり違和感が残る。
気持ち悪いな。
「フフ、ドウシタ? 怖イノカ?」
「抜かせ、貴様風情に恐怖していてはアイツにタメ口すらきけん」
ならば特攻あるのみ! 斬る!
ガキン!
何!? 腕で私の剣を止めただと……ッ!
聖人の力をフルに活用している私の一撃を、コイツ。
ダンッ
地面を一蹴りして私は後方に跳ぶ。
「おい、お前悪魔と契約しているか?」
「イイヤ、シテナイナ」
「ならお前は悪魔か?」
「悪魔と言エバ悪魔ダシ、違ウト言エバ違ウナ」
「解りづらい奴だ。もう少し解りやすく言えんのか」
「残念ナ事ニコレガ俺ノ性格デネ」
クッ、読めん奴だ。
だが、爵位持ちの、それもかなり上位の悪魔並の力は持っているな。
もう二つコイツと同じ質の波動を感じるが、コイツは2番目か、
ドォォォォン!
一つ減った。
この質は、エセ関西弁とかいう奴の…中々強いではないか。
「ホォ、10(テン)ヲ退ケタカ。中々強イ奴ガ居タ様ダナ」
「数字が貴様らの名か?」
「個体識別ノ為ダガ、名前ト言ワレレバソウダナ」
「斬想剣!」
脚に爆発的な魔力を送り、一瞬にして間合いを詰め私が持つ必殺の一撃を入れる。
不意打ちになってしまうが、致し方ない。
これは戦いだ。
模擬戦や稽古とは違う、たとえ卑怯と呼ばれようとも命あってこそだ。
私の思う騎士道と一般的な騎士道とでは多少違うがな。
「やったか?」
「残念、マダマダ!」
クッ、魔力刃か。
私目掛けて黒い魔力刃が軌道を描くが、再び脚に爆発的な魔力を送り込み、一瞬にして間合いを取る。
「ソレ、厄介ダナ」
「そうかい、時間を掛けて習得した甲斐があったよ」
「本当ニ残念ダ、オ前トハモウ少シ殺リ合イタカッタンダガナ、コノ器ハ限界ヲ迎エタ様ダ」
「なっ!」
頭から灰になって消えた?
コイツ、本当に何なんだ。
一度父上に伺いを立てた方がいいか、それに賊が糸を引いているんなら、王剣の。
「いや、それはない。はずだ。あの剣にこんな力はない」
クソ、最近は本当に荒れているな。
この世界は。
「さて、まだ民達が残っているな。行くか」
―予告―
第25話 エリーゼの暴動(鎮圧編3)
コウヘイは神秘と対峙していた。だが、ソレは神秘というには余りにも禍々しい存在であった。その正体とは―――