20 道中の危険
短っ! これは……小話だね。うん、そんな感じだ。
次こそ、次こそ、長く書いてやる~
―街道―
平原と呼ぶにふさわしい光景が始まって一時間強、いい加減この光景も飽きたな。なんて思っていた時だった。
急停車したのは。
ヒィヒィ~ン!
「な、ど、どうした?」
俺は馬の手綱を持つエセ関西弁の近くまで歩み寄ると。目の前には如何にも盗賊という野郎が十人くらいいた。
昼間から盗賊稼業ですか、堂々としてんな~
「有り金全部置いて行くでヤンス!」
「うっひょ~ 美女揃いじゃねぇーか!」
「親分、これでしばらくは暇しないですぜ」
「全くだぜ。グハハハハ」
何というキャラ、これこそ盗賊だ! って感じだな~
感心感心、いや~ 本物は違うわ。
でも、
「あー 君達、俺ら次の街で飯食うだわ。今腹ペコでさ~ 君達に構ってる暇ないわけ。分かる?」
そう、俺は今腹ペコなんだ。
今なら腹ペコ騎士王とだって渡り合えるくらいに!
だから普段こんな奴らに使わないであろう敬語を使っていたりする。
「はぁ~ うっせんだよガキが!」
「オイラ達を怒らせると怖いでヤンスよ!」
「「「「「そうだそうだ」」」」」
「それになぁー 俺らのボスはギルドランクBB何だぞ!」
そう言われて、ボスらしき男が一歩前に出る。
いや~ 如何にも盗賊のボスって感じだな、髭濃くて、不細工で。
「なぁマリア。BBって凄いのか?」
「そんなに凄くないな、A級クエストできなし」
「へぇー って事はあのスライムもどきすら倒せないと」
「あの依頼で倒したモンスターがどうだったか知らんが、まぁそういう事だな」
「じゃあザコじゃん」
俺の言葉が癇に障ったのか、盗賊のボスは拳くらいのファイヤーボールをいきなり放った。
だが、
「甘い! ファイアーボールはこうだ!」
俺の放ったファーアーボールは三メートルくらい、結果。
盗賊のボスは火葬されました♪
っていうか、俺初めて人の命奪っちゃった?
う~ 複雑な気分だな。
でもまぁ、許されるよね。
だってアイツが腰に携えてる剣から人間の血の匂いがしたんだもの。
裁きの炎って事で。
「お、お頭~」
「さて、お前らも数えきれない罪を犯してんだろ? 罪には罰を。だ、彼の者達を燃やせ」
すると、蒼い炎が突然盗賊達に灯り、灰すら燃やしつくした。
「道中は危険だらけなんだぜ? 地獄で後悔しとけ」
今日もコウヘイ一行は平和を満喫しましたとさ。チャンチャン
そして、一同は見落としていた。
エリーゼの方向に黒煙が上がっていた事を。
by神様
―予告―
第21話 エリーゼの攻防
着いた街では何故か争いが起きており、知らぬ間に巻き込まれた一同は―――