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18 王国の秘宝

招待状を受け取ってから半日、俺らは王都に来ていた。

まぁ見た目はぶっちゃけ中世ヨーロッパそのまんま、建築物も服装も食事も、リアル中世であった。


その中でも一際目を引くのが王城である。

名前をペンドラゴン城、なんか聞いた事のある名前だった。


場内は思ったほど"豪華"ではなかった。

これには理由があるらしい。

シャーリー曰く、王族は民あってこその王族なのだから贅沢は控えるべきである。だそうだ。

まぁ多少の贅沢は王族の品として認められているらしいが。


そして俺ら七班とシャーリー、マリアは謁見の前に来ていた。

目の前には金銀宝石類で装飾された椅子が二つ。

右側には王様、左側には女王様が座っていた。

王様は金髪碧眼で、冠がよく似合う。

女王様はシャーリーとよく似ている。

さすが母だ。


あれ? じゃあ赤髪のマリアは……突然変異?


「諸君らが七班だな?」

「は、はい。そうです」


ふむ。と王様はこれまた品定めの眼差しで四人を見る。


七班の代表として俺が質問等に答えるという事が事前の班内会議で決まった。

というよりかは、多数決という名の数の暴力に負けた。


「グリードの森に住まう悪魔を退治したというの話は本当か?」

「はい。確かに私達('')が退治しました」


俺の言葉にアリスとエセ関西弁は抗議の視線を送ってくるが、それがどうした!と言いたい。

どうせ、この先には冒険的な物が待っているんだ。

お前らだけ逃げようなんてそうは問屋がおろさない!

まぁユリアはいいけどね。


「そうか。マリア、お前から見てこの者達はどうだった?」

「はい。申し分ない強さでした。これなら任せても問題ないかと」


王様は腕を組んで考え始める。

十秒ほど立った時だ。


「諸君らに頼みたい事がある」


と王様が口を開いた。

瞬間、俺は歓喜した。

自分の予想が当たった事に、そしてアリスとエセ関西弁は顔を青くする。

はぅぅ~ と、ユリアに至っては気を失ってしまった。


ここで女王様が口を開く。


「実はある物を探してほしいのです」

「「「ある物?」」」

「アナタ」

「あぁ、実はな。戴冠式に使う儀式剣なんだ」

「そ、それって国宝の、ですか!?」

「如何にも、それがつい先日に保管庫から姿を消してしまってな」


王様は疲れ切った顔をしている。

女王様に至っては涙を流していた。

おいおい、たかが剣一本でここまでなるか?


「でも、どうやって探せと?」


俺は極々当たり前の事を尋ねてみる。

確かにこの世界には探索に特化した魔法が存在しているが、ピンポイントで当てられるか?と言われれば答えはNOなのだ。それは王様となれば勿論理解しているだろうし、それを理解している上で今回の話を持ち出したとすれば、俺は断るな、だってそんなダメな奴の為に働きたくないもん。


「それなら心配いらん、王族の者ならば儀式剣のある方角がわかるんだ」

「近づいている事もですか?」

「無論だ」

「今までの事を聞いたうえで、失礼ながら聞かせてもらいます。他を用意するという手段は無いのですか?」


俺の言葉に王様と女王様以外は、何を言っているんだ! と少々ご立腹気味な表情をするが王様は、


「それも考えた。だが、あれは我が国秘宝だ。扱い方一つで国ひとつを滅ぼすこともできる」

「……だから手元に置いておきたい。と」

「あぁ、抑止力にもなりえる。さらには最後の手としてもな」

「それが万が一他国の手に渡るを防ぎたい。そういう事ですか」

「あぁ、われら一族しか使えないとは思うが、万が一という事もあるのでな」


国を治める者としては中々優秀だな、確かにそれくらいの代物を放置しておく分けにはいかない。

俺でも探すな。


「では王様、皆と相談してからでも?」

「勿論だ。これは命令ではない、お願いなのだからな」


ふふ、ほんと国を治める者としては優秀だよ。


「では、私達はこれd「待って」?」

「私は探すわ」

「ワイもや」

「うぅ、わ、私も」


おいおい、そんなキャラだったか君たち。

これも神様のせいか?


『私は干渉してないよ、その子達の確固たる意志』


 へぇ~ で、神様はどっちを選んでほしい?


『そりゃー 勿論―――』



「解りました。我々七班、王の願いを受け入れます」

―予告―

   第19話 六人の探求者


第2章 王剣編 第一話

王様の願いを聞き入れた七班は新たな仲間と共に探求の旅へと出る。

待ち受けるのは未知の体験、探し求めるは王族の秘宝、果たして秘宝へと辿りつけるのか?

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