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14 束の間の休息……のはず

創立記念日で本日の授業は休みという昼下がりの午後。

俺は広場のオープンカフェでユリアとお茶を楽しんでいた。


「それにしても、コウヘイさんがお菓子作り得意だったなんて、意外です」

「はは、まぁ色々とあったんだよ。色々とね」


と、俺は「あまり深く突っ込まないで」なんていう表情を浮かべる。

これで俺の意思は伝わっただろうから大丈b


「どんな事があったんですか?」


え~ ここで聞いてきますかユリアさん。


「いや、その、察して?」

「? 何をでしょうか」


天然!? やっぱりこの子は天然キャラだったか!


「えーと とにかく話題を変えようか」

「? じゃあ、恋人とかいますか?」


ブーッ!


思わず紅茶を噴き出す俺、もちろん反射的に顔を横に逸らして地面に。

いくら大雑把な俺でも、女の子の顔に噴き出すほど性格は破たんしちゃいない。


「な、なんでいきなり」

「いえ、話題を変えようとの事だったので」


うっ、確かにそう言ったけど。


「そうだったな」

「で、どうなんですか?」


やっぱ女の子ってこういう事が気になるのか?

ガールズトークのネタとかに使われるんだろうか、少し不安だな。


「いや、別にいないけど。そういうユリアはどうなんだ?」

「ふぇっ! え、えーと」


頬を赤く染めちゃって、こりゃー 誰かいるな。

アリアは知ってんのか?

まぁ知ったら知ったで、想い人の命はないな。

ありゃー 重度のシスコンだし。

どこかの誰かさん、ご愁傷様です。


「ま、まぁー この話はここまでという事で、ね?」

「まぁ別に俺は構わないけど」

「でも。本当にいいお天気でs―――」


大変よー! とユリアの声をアリスはかき消した。


「ど、どうしたのお姉ちゃん!?」


ユリアはアリスの表情を見て慌てて駆け寄る。

珍しく血相を変え、息を乱してやって来たのだ。


「た、大変」

「何がどう大変なんだよ?」

「お、おおお、王女様が来たのよ!」


おい、トラブルメーカー。

この爽やかな昼下がりのティータイムを壊すなよ!

しかも、トラブルメーカー二号登場か!?

俺の平和な時間を死守せねば。


「おい、まさか来た目的って」

「あ、アンタに決まってんでしょ」

「!」

「コウヘイさん。に、逃げた方がいいんじゃ」

「ユリア、俺も今その考えに行き着いたところなんだよ」


すると不意に、いたぞー! という男の声が聞こえた。

声が聞こえた方を見てみると、自分は騎士です。という格好をした男が一人。


やばい。


それだけで俺は猛ダッシュ、ダメなんだ。

今王女様と関わったら間違いなく……勇者イベントが発生する気がする!

あの神様がそうするに決まってるっ!


だから、逃げねば!


……って、あれ?


なんで体が動かないんでしょうか?

金縛り?

いや、待て。

ここは異世界だぞ、そんな事があるのか?

はっ! まさか。


『ピンポ~ン』


 やっぱり!


『学校生活も楽しいけど、そろそろ。ね?」


 いやだ~ まだ学校生活を満喫したい! 恋愛の一つや二つをしてみたいんだ!


『なら王女様落とせばいいじゃん、それに王女様の従姉妹も美人だよ?』


 やめろ! それはそれで骨肉の争いが起きそうだから!


『え~ それはそれで面白いのに!』


 俺は面白くとも何ともないよ!? トラウマ決定だよ!


『だって進展ないし、つまんないんだもん』


 じゃあ学校関係で面白い事起こしてくださいよ!


『ん~ OK解った。本人の意思を尊重してあげましょう。じゃ』



「初代トラブルメーカーめ」


「見つけましたよ、コウヘイ!」

「え"、(まさか、聞こえてたのか!?)」


俺の視線の先には、王女様と騎士御一行様が。

―次回予告―

     第15話 神様は律儀にも願いを叶えました


やってきたのは王女様と不幸? 神様はそんな渦中のコウヘイに―――

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