13 再会の騎士
おひさしぶりです。
久々の更新……パソコンが壊れたんですよ、
もういきなり寿命迎えちゃって、まぁとにかく更新再開です。
未熟者ですが、これからもよろしくお願いします。
「久しぶりだね」
そんな声が聞こえて、振り返ると見たことのある顔があった。
「ペットの躾もロクにできない騎士様、か」
「まだ根に持っているのかい」
俺と騎士様が愉快に話していると、アリスは口をパクパクさせていた。
「なに? どうしたんだよ」
「なにって、アンタこのお方と知り合いなの?」
「まぁ、知り合いにだな」
「そうだね」
「で、騎士様はなんでココにいるんだ?」
「なぁ、その騎士様ってやめてくれないかい? 君にそう言われるとバカにされてる気がするんだ」
と、苦笑いでものもおす騎士様。
「なんだ。今頃気がついたのか?」
「えっ! バカにしてたの!?」
「当たり前だ。第一印象最悪だったんからな、嫌みの一つや二つ言わずにいられるか」
ホント、あんときは死ぬかと思ったんだからな。
「んで、アリス。コイツがどうかしたのか?」
「失礼なこと言わない!」
「ブッ!」
鳩尾に鉄拳ですか、勘弁してくださいよ。
喋れないんですけど。
ほら、騎士様も笑顔が引き攣ってるぞ!
「この人が、どうかしたんですか?」
「アンタ本当にこの人の事知らないの?」
「しらねぇーよ」
「この人はね。王女様の近衛騎士よ」
「……冗談。こんなヘラヘラスマイルの持ち主が近衛騎士って。「がしっ!」思った俺の頭がかち割れるぅぅぅぅ~!!」
それから……
「なるほど、あの王女様からお礼の品を預かってきたと」
「まぁそういう事だね」
「金か? それとも宝石とか?」
「いや、これだよ」
と騎士様は一枚の封筒を差し出した。
「あのー これってあまりにも酷くね?」
「いや、王女様から手紙を貰えるだけでも大変なことなんだよ?」
「そんなもんか、たかが手紙だぞ? 無償奉仕した覚えはないんだけどな~」
「まぁ勘弁して欲しいとしか僕からは言えないな」
そんなもんか。と愚痴りながら俺は手紙の内容を見てみる。
え~ なになに。
コウヘイ・タカバタ様へ。
先日は大変危ない所を御救いくださってありがとうございます。
父上に話したところ、貴方様を是非私の近衛騎士にしたい。という事になりましたので、
ここにその承認状を同封させていただきます。
また会える事を楽しみにしています。
シャーリー・フェルト・ティル・シャールより。
……へっ?
思わず俺は手紙を手放してしまう、手紙はヒラヒラとアリアも足元へたどりつき。
アリスは手紙を拾い上げ、一間置いて「えぇぇぇぇぇ!」と叫び声をあげた。
「な、なななな何よこれ!」
「えーと 招待状?」
「まぁ間違ってないけど! まだ騎士見習いの癖に! これって何!?」
「いや、言いたい事は分かる。でも仕方ないんじゃねぇ?」
「どうしたんだい?」
俺とアリスのやり取りを見ていた騎士様が会話に参戦。
「これ見てください!」
とアリスは手紙を騎士に差し出す。
「あ、あぁ。―――よかったじゃなか、夢が叶って」
「それ嫌みのつもりか?」
「い、いや。別にそんな意味で言ったわけじゃないんだけど」
「そう。そんな事はどうでもいい、王女様には謹んでお断りします。って伝えといて」
その瞬間、騎士様の表情が百八十度変わった。
「まさか、断るつもりか?」
少しドスの効いた声色で騎士様は言う。
へぇ~ こんな顔もできたんだ。
「そのつもりだけど、何か?」
「断ることは容認できかねる」
「なぜ?」
「王女様からのご指名だからさ」
「あー なるほど、有名でも何でもないたかが庶民に王女様のお誘いを断られるのがイヤってわけ」
「……」
無言の肯定、か。
まぁ政治的にはよろしくないわな、派閥争いとか。
「断れそうにないけど、どうやったら断れるだ?」
「私(、)を負かしたら、王女様に貴方の意向を伝えよう」
「ふ~ん、いいぜ」
俺と騎士様は近寄りがたい雰囲気を放ちながら広場へ場所を移した。
「ルールは簡単だ。相手を気絶させるか、負けたと言わせるかのどちらか」
「いいね、シンプルで分かりやすい」
騎士様は剣を構え、いつでも来い。と言わんばかりの闘気を放つ。
「でも、めんどくさいから……さっさと終わらせるよ」
イメージは魅惑の刃を有する剣、創造するはケルト神話に登場せし 光の神ルーの魔剣。
「顕現せよ、"アンサラー"!」
俺が剣を顕現させると、騎士様は両膝を地面に付き、戦意を喪失した。
「な、なにを、した?」
「何も、ただ剣を出しただけだ」
「そんな、バカな。事が、ある、か」
「まぁ魔剣だから、かな?」
俺は騎士様に近づき、「じゃあ王女様によろしく」と言って手刀で気絶させた。
『あー あー 騎士ちゃん可哀そうだな~』
神様、一々何なんですか。
『だ・か・ら、暇なんだって、やる事無くてさ~』
じゃあ仕事をまともにすればいいでしょう。
『それじゃー 私が疲れちゃうじゃん』
ダメだ。完全に腐ってる。
『ふん、だ。 働いたら負けかなー って思ってるだけだもん!』
もう見るも無残な姿が見えてきました。
『私の華麗な姿を見て欲情するといい!』
どうせ風呂も入らず、身嗜みも整えずの不健康極まりない姿なんでしょ。
『神様はね、お風呂とか入らなくても浄化の炎使えば、あら不思議、って感じに清潔を保てるの!』
へぇ~ 便利なもんですね。でもお風呂くらい入りましょうよ。
『う~ 分かった。そうする、じゃっ』
「神様って……みんなあんな子供なのか?」
そう疑わずにはいられない俺であった。
―次回予告―
第14話 束の間の休息……のはず
休日、ユリアと極々平凡な昼下がりのティータイムを満喫していたら、トラブルメーカーがやって来て、爆弾発言と共に―――