01 異世界へ
こんにちは、俺の名前は高畑 隆平16歳。
突然なんだけど俺、異世界に来ちゃった。
今、俺の目に映るのは木ばかっり、ようするに森だ。なんでこんな森の奥に来てしまったのか考えていると、俺は少し前の事を思い出す。
そういや俺、見かけないアンティーク店に入ったんだったけ。
んで、気がついたらこの状況っと、夢?
いやいや待て、こんなリアルな夢って在りえるのか?
風を肌で感じるし、太陽の光だって、それに……
思考の途中で目の前にとんでもない光景、いや生き物が飛び込んできた。
その生き物は皮膚というよりかは、鎧と言った方が適切なお肌で、人間なんてグチャグチャにしてしまうであろう立派な牙をお持ちで、それに人類の夢であった空を飛ぶための翼だってお持ちでいらっしゃる……ドラゴンさんだ。
「いやいやいや、在りえないって。これが現実だったらGAME OVERだよ」
GAYAAAAAA!
ドラゴンさんは口を大きく開けて叫ぶ、それだけなのに大型台風並みの風が俺の身体を襲い、中に浮いて吹き飛ばされる。
まぁ木にぶつかって止まったけどね。
「つ~ っていうか俺これ死ぬな。あ~夢の中で死ぬって、とんだ悪夢だな」
そんな俺の思考は一瞬で吹き飛ぶ事態が起こってしまう。
「そういや、なんか背中が熱いな」
そう思って背中に手を当ててみると、
「まさか…な」
手を見てみると、血が付いてた。
「血~! 血だよ! 血! これ、もう夢!? いやいや落ち着け、リッラ~ックス、冷静になれ俺、今この状況はどうだ? ……うん、そうだね。死の瀬戸際だ」
まぁそんなに出血してないんだけどね、ちょっとした切り傷と大差ないし、
でも俺は血相を変え、ドラゴンに背を向けて逃げる。
だが、
ドン! ドン! ドン! ドン!
と地震みたいな足音を響かせながら俺を追ってきやがる。
ヤバイって、これマジでヤバイ!
「死ぬ~!」
「待て! ジョン!」
人の声が聞こえた。
その瞬間、俺を食べようと追いかけていたドラゴンは犬の様にお座りのポーズを取り、騎士甲冑を身にまとった少年が姿を見せた。
「いや、すまない。ジョンが迷惑を掛けたみたいで」
「迷惑どころか命の危険を感じたよ」
「あははは、悪かった。でも君も悪いよ、ドラゴン飼育エリアに無断で入ったんだから」
はい? ドラゴン飼育エリア、飼ってんの? 伝説上の生き物をペット感覚で?
うわ~ どこの金持ち、ってか非常識もいいとこだな。
「それにしても君、学校の生徒には見えないけど……入学希望者?」
「入学って、どこにだよ」
「どこにって、もちろん『シャール王立騎士学校』にだけど、違うの?」
そう聞き返してくる少年、俺を見る目つきから察するに……俺は不審者に思われてるな、ここは話を合わせた方が得策って奴だな。
「あぁ、そうなんだよ。俺は方向音痴でね、迷ってしまったんだ」
「そう、どこの出身?」
く~ コイツ一番聞いてはいけない事を聞いてきたぞ。
ここはおそらく、いや間違いなく異世界なんだ。
日本って国があるわけないし、なんて答えたらいいんだよ。
「……実は教会で育てられて、生まれがどこかは知らないんだ」
俺は少し声のトーンを落として言う、名役者になれるかもな。
「そ、そうだったのか、すまない」
作戦通り、情に訴えれば大抵の人間は折れるもんだからな。
いや、俺は悪くないんだよ。
悪いのは聞いちゃいけない事を聞いたコイツだ。
「いや、いいんだ。もう慣れてるんでね」
「そうか、では試験会場へ案内しよう。あと……その服装は?」
「あっ、これ。これはね……司祭様の趣味で作って貰った服なんだ」
「へぇ~ その司祭様はよっぽど縫物の才能が御有りなんだな」
その後、試験会場になっている部屋に案内され。
成り行きで騎士学校なる学校の入学試験を受けることになりました。
あ~ 地球に、俺のいた世界に帰りてぇ~ まだ見てないマンガもあったのに、
いや、それよりかDVD返却しなきゃ! 延滞料掛かるじゃん!
やべぇーよ、俺今月ピンチなのに。
いやいやいや、今は現状に集中しなきゃな。
試験だろうが、何だろうが、掛かって来いや!
どうもこんにちは、月冴です。
この度は読んで頂いてありがとうございました。
それにしても作者、また新しく書き始めてしまった。
三つか……なんとかなるよね、前向きにいきます!
あと、次話から後書きに次回予告を入れてみます。