2回目の異世界転移。
ある日の事だ。何の変哲もない日常。ただ学生として高校に通うだけの毎日。退屈な授業。いつものように四時間目の世界史が終わり、仲の良い友達や幼馴染と喋っていた時。突如目の前に魔法陣?が教室の床に出現した。俺はふっと目を閉じた。それなのに何故か目の前に白い光が現れ、俺を包み始めた。
一体これは何なのだろうか?目の前の白い光を見ながら考えた。そう考えると俺の頭の中にある一つの予想が思い浮かんだ。また、その予想の答え合わせをするかのように目の前の光が徐々に収まり出した。
クラスメイトの声だろうか?困惑した声が聞こえる。目を開けると俺は全く知らない場所にいた。教室とは思えない頑丈な壁や高い天井。教室で見たものと同じ魔法陣が描かれた床。また、その魔法陣を囲むように立つローブと杖を持った謎の人達。そして段差を少し上った先にいる豪華な格好をした渋いおじさんと美しい女性。
ああ‥やっぱりそうか。俺は自分の予想と当っていると思うと、今まであった緊張感や焦燥感が一気に消え去った。
何年ぶりだろうか。そう俺が感傷に浸っていると、美しい女性が言った。
「ようこそおいで下さいました。異世界の勇者様。」と。
そう俺は、人生で2回目の異世界召喚にあったのだ。