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憎悪騎士シリーズ

血濡れ姫と憎しみの騎士

作者: リィズ・ブランディシュカ



 真っ赤な血だまりの中に立つのは、綺麗なドレスのお姫様。


 その周囲には、カラフルな人形がたっくさん。


 人形はくるくるダンスを始めて。


 お姫様はそれを見て笑う。


 一緒に踊って、とっても楽しい。


 離れた所には、鎧を着た騎士。


 気難しげな顔で、お姫様をぎろり。


 剣を振って、お姫様とダンス。


 二人の頭の上では、太陽が昇る。


 そして、月も上る。上る。


 皆でダンス。


 お姫様と騎士も、ずっとダンス。


 終わらない、終わらせない。


 だから、いつまでも終われない。


 小さな小さな血だまりの中から出る事もせずに、ずっとずっと。


 ダンス。ダンス。


 同じことの繰り返し。


 白い床から時々白い手がはえて、「こっちへおいでよ」と言っているけれど。


 お姫様も騎士も、まるで気が付かない。


 そのままずっとダンス。ダンス。ダンス。ダンス。ダンス。ダンス。


 それはいつまで続くか、誰にも誰にも分からない。


 いつかお姫様が壊れるまで?


 いつか騎士が壊れるまで?



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