血濡れ姫と憎しみの騎士
真っ赤な血だまりの中に立つのは、綺麗なドレスのお姫様。
その周囲には、カラフルな人形がたっくさん。
人形はくるくるダンスを始めて。
お姫様はそれを見て笑う。
一緒に踊って、とっても楽しい。
離れた所には、鎧を着た騎士。
気難しげな顔で、お姫様をぎろり。
剣を振って、お姫様とダンス。
二人の頭の上では、太陽が昇る。
そして、月も上る。上る。
皆でダンス。
お姫様と騎士も、ずっとダンス。
終わらない、終わらせない。
だから、いつまでも終われない。
小さな小さな血だまりの中から出る事もせずに、ずっとずっと。
ダンス。ダンス。
同じことの繰り返し。
白い床から時々白い手がはえて、「こっちへおいでよ」と言っているけれど。
お姫様も騎士も、まるで気が付かない。
そのままずっとダンス。ダンス。ダンス。ダンス。ダンス。ダンス。
それはいつまで続くか、誰にも誰にも分からない。
いつかお姫様が壊れるまで?
いつか騎士が壊れるまで?