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かっこいい悪役を探して  作者: 中山恵一
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魔物交流サングラス Vol. 6 ある街の魔物二大派閥

中華圏の国々を相手にする海外販売事業部の仕事が旧正月で休み


英語で言うと チャイニーズ・ニュー・イヤーと言うらしい

国内だと旧正月というのに、とにかく中国文化が根付いている地域では

派手に正月行事が開催されている


なので観光客となって、いつもの日常から乖離したような

国際的に有名な大都会で過ごす一週間


アチコチを巡る内、魔物交流サングラスをかけてみたくなるような

サングラスをかけてなくとも、いるのが、わかるような空気が蔓延する

淫猥で妖しい空気が漂う街に遭遇した


その街中でも更に濃密な空気の発信源のような店へと入店

昨夜に続いて2店目だ。よくよく、こういう店に縁があるらしい



魔物交流サングラスをかけると昨夜の大都市で見かけたように

欲望の魔物が集まって魔王様になるのは誰かを決める会議


それぞれの魔物が憑いている人間は

この地域に密着する同業者団体の人間なようだ


毎度、色んな場所で見かける、所有欲、色欲、自己顕示欲、暴力支配欲に加え


食欲、独占欲、出世欲の魔物らしき魔物が浮かんでいる


らしきというのは、たとえば自己顕示欲魔物らしき魔物が

背後に浮かんでいる人は凄く声が大きく


 俺の煩さに慣れろ! そして黙って俺の言う事を聞いてろ!

 御前等、俺に言わせれば、黙って聞いているだけにした方がいい

 それか数あわせで、いるだけな声の小ささになって存在感を無くせ


そういった内容を何度も繰り返し語っていたし


所有欲魔物らしき魔物が背後に浮かんでいる偉そうな爺様は

自分の所有する会社に所属する人間や所有する不動産に住む人間が

人的資源会計からして、どれだけプラスな人材ばかりかを語り


色欲魔物らしき魔物に憑かれているらしき婆様にいたっては

同じ仕事をする同業者内との争いに、いかにして勝ったかを自慢していたので


どんな欲望の魔物に憑かれていたかが丸出しだったからだった。




その地域密着同業者団体に所属する人々の

頭上に浮かぶ魔物たちが語っているのは


巡回ローテーションを、どうするかの相談だった

なんか旧正月の2月15日頃に

毎年、今年の方針を決めているようだった



食欲魔物だけが長くいると、何故か生活習慣病が蔓延して住人が短命になる


それだと人の邪気とか欲望を吸って生きている欲望の魔物にとっては喜ばしくない


できれば長生きして、いーっぱい魔物にとって高級料理のような甘美な欲望を成して欲しい


なので、食欲の魔物が一定期間いついた後、色欲の魔物が子作りに励む人が増えるようにして

それに付随する、自分だけが優良な遺伝子を子孫に残したいという

本能に従ったアレコレを魔物が食い物にして


ある程度の期間を過ぎたら、今度は別の欲望の魔物といった風に

ローテーションが決まっていたのだが


新しく子供が生まれなくなって、大都市なのに高齢者だらけの街ができて

食欲の魔物と、色欲の魔物の生きる糧の絶対量が急激に減ったらしい


その代わりに高齢者が抱える欲望、所有欲、独占欲など

若い頃からの積み重ねで積み上げたものを手放したくないという欲望など

それを糧としている魔物の食い物が急増して

力関係が、ひっくり返ったようだった


今まで、よくも、言いたい放題、やりたい放題してくれたなとでも

言いたいかのように主張する新しく台頭してきた欲望の魔物と


最近は力が弱まってしまったとはいえ伝統的に権力のある欲望の魔物


2勢力に別れての言い合いが延々と続いて順番が決まらない


たかだか当番をどうするか程度の事ですら

こんな言い合いになるってのは、どうなんだろうなとも思えるが・・・



そして話しが、ようーやっと、まとまって決まりそうになったと想ったら

自分達の言い分が取り入れられた要素が少ないと

もっと言い分を受け入れろと言いだす魔物が出現して、まとまりそうな話しを壊し

グルグルと同じような話しが同じようにカラ回りするような言葉が繰り返される



たとえば、面倒になった議長をしていた魔物が言う


「もう、いいから、じゃあ、魔王様に決めてもらおう」


どうでもいいから、不毛な言い争いを終わらせて

欲望を煽って収穫に向かって活動したいからなのか

ここでの最終手段らしき事を言った


しょうがないか、じゃ、そうするかと集まった魔物が賛同

そして魔王様が降臨


場の空気が一気に禍々しく妖しくなって

いかにも極悪そうな顔つきで、

御前等、恐れ慄けといった感じな外見の化け物が出現する


神聖な姿の神が書かれた絵本があったが、その逆とも言える


邪悪な姿をした魔王、見ているだけで心が荒んでしまいそうな姿だ



そして魔王様の鶴の一声というか一方的な独裁というヤツで

有無を言わさず順番が決まった


1日の内、朝昼晩、食欲の魔物の生きる糧が増える時間帯


1週間の内、週末など、色欲の魔物の生きる糧が増える曜日


1年の内、年度末、年度始など

 所有欲、独占欲とかの魔物の生きる糧が増える月の平日昼間


その時間帯は他の魔物は休みにして全域を活動範囲


「時間の長さが平等じゃない」と文句を言うのもいたが


「時間の長さより効率だ。時間をかけても欲望濃度が薄ければ

 得られる欲望は少ない。」


と魔王様が言い返して黙らされた



魔王様が最期に一言だけ言って去る


「では、ものども、今日も人間の欲望を煽って

 食い物にするために励め」


その後は早い。


一度、面倒が起きたので強制解散の形で

存在すべき場所とされた場所へと各自が転送されたようだ


そして頭上に浮かんだ魔物が去ると

憑かれた人々も談合なのか世間話なのかというような

雑談をやめて三々五々に散っていった。



・・・


そこへ観光で出かけてから、その街についてのニュースや

雑誌の記事をネット検索したりするようになったのだが


その街では2派閥に別れた魔物達による抗争が

一日中、一年中、終わる事なく続き

多くの人々が巻き込まれ続けているようだ


巻き込まれた人々による

しょうもない欲望による馬鹿げた事件が

ひっきりなしに発生する事が当たり前になっていて


ネットに都市名を入力すると


ゴシップWEB雑誌や、下種いニュースを扱う

ネットサイトが必ずヒットして


2派閥の抗争結果ともいえる

欲望を巡る醜い争いに関するネタが書き込まれている。


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